待機児童を認可外施設に


yomiDr.
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全国の政令市や首都圏の市区など
225の自治体を対象に読売新聞が行った調査で、
今年4月時点の待機児童は昨年に比べやや減っているものの、
地方都市で増加傾向にあることが浮かび上がった。
待機児童が急増した自治体では、
独自に待機児童専用の保育所を設けるなどの
対応に追われている。

急増した自治体 独自対応

「ここがなければ働けなかった。本当に助かった」。
静岡市が運営する認可外保育所「待機児童園おひさま」に
昨年11月から長女(1)を預ける同市の
大学職員(33)は話す。
1年間の育児休業を取り、昨年秋に認可保育所の
利用を申し込んだが、満杯で入れなかった。
待機児童対象の同園に11月から入所でき、
予定通り職場に復帰できた。

同園は2010年に開設。国の基準を満たす
認可保育所に入れなかった0~2歳児が対象だが、
施設や職員配置、保育料は認可保育所と同じ。定員は72人だ。

今年4月、同市の待機児童は155人と昨年の約4倍に増えた。
不況で共働きが増えたことが大きいと見られる。
同市保育課では「認可保育所の設置には
手続きなどの時間がかかるため、認可外施設も整備しなければ、
保育の需要に追いつかない」と話す。

同市では、待機児童園を14年度までに2か所新設するほか、
来年4月には、0~5歳児を受け入れる
「認証保育所」制度をスタートさせる予定だ。
国の認可基準より緩い市の基準に基づく認可外施設で、
独自に市が助成する。

今回読売新聞が行った調査の対象は、
東京都内の市区と神奈川、千葉、埼玉県の全市町村、
全国の政令市に、昨年4月の待機児童数が
全国50位以内に入った市を加えた。
国の調査と同様、認可保育所に入れなかった子どものうち、
自治体が運営を補助する認可外保育施設や
保育ママなどの利用者を除く数を「待機児童」とした。

その結果、今年4月の待機児童数は計1万9526人で、
昨年同期比で約8%の減。
その一方で待機児童が100人以上増えた
自治体も6市あり=別表=、地方での増加が目立つ。

東京都や横浜市などでは、待機児童対策として
早くから自治体独自の基準で
認可外保育所への補助を行ってきた。
育児休業を取った社員の復帰を支援するため、
事業所内保育を行う企業も増えている。
地方都市で待機児童が急増したのはここ2、3年で、
認可外施設への補助などが遅れている自治体も多い。

今年4月の待機児童数が929人(昨年比64人増)で、
全国ワースト2位だった札幌市では、
認可保育所の定員を増やす一方、
10月から認可外保育所への運営費補助を新たに始める。
市保育課は「認可外施設は認可に入れなかった子どもの
受け皿になっている。
補助することで保護者の負担軽減につなげたい」と話す。
(矢子奈穂)
小規模施設には国が財政支援

今国会で成立が見込まれる認定こども園制度の
拡充を柱とする子育て関連法案には、
待機児童対策として、認可外の小規模保育施設などに
新たに国が財政支援をすることが盛り込まれた。

新設される「地域型保育給付」制度は、
20人未満の小規模保育施設、
家庭で数人の子どもを預かる保育ママ、
企業が整備する事業所内保育所など、
主に0~2歳児を受け入れている認可外の施設が対象。
施設面積や人員配置などの認可基準は、
国が示す基準に基づき市町村が条例で定める。
消費税が10%に引き上げられる15年にも実施される見通しだ。

認可外保育所は国の助成がなく、
一般に認可保育所に比べ利用料が高い。
「地域型保育給付の対象になれば、
保護者が払う利用料は下がる可能性が高い」と
厚生労働省の担当者は説明する。

一方、定員20人以上の認可外保育施設については、
認可保育所の基準を満たすよう支援し、
認可施設への移行を促す方針。
約660か所ある東京都の認証保育所は、
定員20人以上の施設が大半。
職員に占める保育士の割合などの基準が緩やかで、
現行のままでは国の補助対象にならない施設が多いとみられる。
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