子ども用防災ヘルメット好調 一宮のクミカ工業


中日新聞
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自動車や家電のプラスチック成型加工を手掛け、
初めて企画開発したオリジナル商品の
子ども用ヘルメットが好調だ。
特に防災用は、東日本大震災後の意識の高まりを
追い風に、全国の幼稚園から問い合わせが相次ぎ、
販売開始から四カ月で三千個を売り上げる
ヒット商品となっている。

「ヘルメットはまだ売上高の5%ほどだが、
今後も独自商品の開発を進め、事業の幅を広げたい」と、
社長の西川正一郎さん(45)。

金型から塗装、組み立てまで、一貫して
自社でできる生産体制が強み。
自動車のバンパーや液晶テレビのスタンド、
パチンコ台の部品など幅広い業種を扱ってきた。

変化を迫られたのは二〇〇八年秋の金融危機後。
受注が突然キャンセルされたり、
メーカーが海外に工場ごと生産を移すなどして、
仕事量が減った。

西川社長は「取引先の会社そのものが
なくなる時代になった。自分たちで開拓するしかない」と語り、
商品企画から販売まで自社で手掛ける“脱下請け”を目指した。
プラスチック成型のノウハウを生かせると
目を付けたのが、子ども用の自転車ヘルメットだ。

子育てママに聞き取り調査すると、
三歳未満の子ども向け商品が少なく、需要があると分かった。
サイズのずれが大きい幼児ほど、
ヘルメットが外れやすく危険だからだ。

ヘルメット内側の発泡スチロールの強度にもこだわり、
製品安全協会のSGマークを取得した。
昨年一月に、一~二歳、三~五歳、小学生用と
大きさの異なる三種類を商品化。
子どもがかぶりたくなるかわいらしいデザインを意識し、
カラフルな二十一色をそろえた。
一~二歳向けが最も売れている。

一〇年秋に展示会に出したところ、
「防災用はないのか」との問い合わせがあり、
東日本大震災直後の昨春から
防災ヘルメットの開発に着手。
首回りを炎から守る防炎ガードの付属品も用意した。

今年三月に発売すると、大地震への危機感の強い
静岡県や関東地方などから注文が舞い込み、
まとめて百個購入する幼稚園もあった。

現在は、防災と自転車向けの兼用をうたって
販売できるよう、両方の安全基準を満たした
ヘルメットを開発中。
西川社長は「秋ごろに出したい」と意気込んでいる。 (三輪喜人)
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