夏の行楽元気に 子どもの不調予防策や対処法


東京新聞
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そろそろ夏休み。旅行や帰省、
海山へと遠出の機会も増えるが、心配なのが子どもの体調。
移動の途中に気持ち悪くなったり、不調が長引いたりすると、
せっかくの行楽の予定が狂ってしまうこともある。
子どもに多い乗り物酔いと、
夏に発症しやすい皮膚の病気「とびひ」の
予防策や対処法をまとめた。 (竹上順子)

◆乗り物酔い 慣れさせて不安解消
「吐いたらどうしよう…などと、
車や船に乗る前から考えるのが一番良くない。
子どもに不安を抱かせないことが、何よりも大切です」と、
東京厚生年金病院(東京都新宿区)
耳鼻咽喉科部長の石井正則さんは話す。

石井さんによると、乗り物酔いは大きく三つの段階を経て発症する。
(1)目から入る情報と、平衡感覚に関わる
「内耳」が捉える情報にズレが生じる
(2)それを脳が「不快」と判断し、
ストレス性のホルモンを分泌して自律神経の働きを不安定にする
(3)血圧の低下や冷や汗、
胃のむかつきなどの症状が出る-というものだ。

「第三段階は止められないので、
第二段階で『不快』と捉えさせないことが重要」と石井さん。
そのためには、乗り物に慣れることが必要という。

ある小学生は、乗り物酔いのためバスや電車に
ほとんど乗ることができなかったが、
酔い止めの薬を飲んで一駅乗り、翌日は二駅、
その次は三駅と増やしていくと、
一カ月ほどで薬なしで長時間乗れるようになった。
「乗ることが“日常”になり、不安がなくなった」と石井さん。
三日で適応できる実験結果もあるという。

胃腸の調子を整えるのもいい。
石井さんによると、乗る前に整腸作用のある
ショウガ入りの紅茶や梅干しなどを取ると、酔いにくくなる。
乗車中にミントのガムや、さきいかなどをかみ続けているのも、
唾が出てお勧めという。
乗る前に市販の酔い止め薬を飲んでおくのも有効だ。

目と内耳の情報のズレを少なくしたり、睡眠不足を避けるなど、
予防策はいろいろある=表。
石井さんは「乗り物酔いは病気じゃない。
歌ったりゲームをしたりして、出掛けることを楽しんで」と話す。
◆とびひ 抗菌薬の外用と内服で 数日で完治、水遊び控えて

乳幼児に多い「とびひ」は、皮膚の浅い傷に細菌が入り込み、
水膨れやかさぶたになって急速に広がっていく病気。
痛みやかゆみがある。
正式には「伝染性膿痂疹(のうかしん)」といい、
主に黄色ブドウ球菌の感染が原因だ。

黄色ブドウ球菌は、普段から人の肌や鼻の穴などに存在する。
だが夏は、汗や高温多湿で細菌が増え、
大人と比べて抵抗力の弱い乳幼児や、アトピー性皮膚炎などで
肌が弱い子どもの場合、虫刺されやあせもを
かきすぎた傷などから感染しやすくなる。

皮膚科専門医で東京都世田谷区の
「りかこ皮フ科クリニック」院長の佐々木りか子さんによると、
抗菌薬の外用と内服で治療する。
肌をよく水洗いすることも大切という。

きちんと薬を使っていれば、三日ほどで患部が乾き、
五日ほどで完治するが「最近は耐性菌が増え、
三~五割の患者さんで従来の薬が効きにくくなっている
との報告もある」と佐々木さん。
その場合は薬を替える必要があるため
「一週間以上長引くようなら薬が効いていない可能性が
高いので、医師に相談を」と話す。

幼稚園や保育園に行くときは、
周りにうつさないよう包帯などで覆うが、
長い時間覆うと菌が増えるので、家ではしない方がいい。
プールや海には入らない。
佐々木さんは「数日で治るので、
水遊びは我慢させて」と呼び掛ける。

子どもの肌は大人と比べて油分が少ない。
普段から洗った後はローションなどで保湿し、とびひを予防しよう。
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