避難住民、児童へお手玉 飯舘の女性ら目標2000個


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伊達市伏黒一本石の仮設住宅で、
飯舘村から避難している女性たちが、
古着や布の端切れを素材にしたお手玉作りに励んでいる。
近くの小学校にプレゼントするのが目標で、
「子どもたちの喜ぶ顔を見るのが楽しみ」と張り切っている。
(福元理央)

「ここまで縫ったら、一度戻ってね」
「ここは白糸で縫おうと思うんだ」。
7月25日、住民の女性約20人が仮設の集会所に集まり、
手元に目を凝らしながら針仕事に精を出していた。
8センチ四方の布を縫い合わせ、巾着袋を作る。
中に小豆を詰めて口を縫い合わせると、
直径5センチ程のお手玉が完成した。
縫い針を慎重に進めていた佐藤ユキ子さん(81)は、
「子供の頃、遊び道具は自分で作るのが
当たり前だったから懐かしいね」とほほ笑んだ。

「一生懸命に打ち込めることに出合って、
みんな表情が生き生きとしてきた」と話す上田秀さん(72)は、
昨年10月下旬から、仮設住民の孤立防止を目的に
毎週1回、茶飲み話の会を開いてきた。
その後、管理人の長谷川花子さん(58)と相談し、
高齢の女性たちに得意な人の多い
裁縫を会合のメニューに取り入れてきた。

当初は、各自が布を購入したり、
家にある端切れを持ち寄ったりしてマイペースで制作していた。

昨年12月、「せっかく作ったお手玉を有効に使えないか」
と考えた2人が、近くの小学校にプレゼントすることを思いついた。

同校は、運動会や学芸会などの行事に
仮設の住民たちを招待してくれている。
高齢者の多い住民たちは孫らと離れ離れの
避難生活を送っているため、
子どもたちの元気な姿が孫の姿と重なって見えた。

「子どもたちのかわいらしい姿に
ずいぶん元気をもらったから、そのお礼にね」

プレゼントすると決めてから、縫うスピードが格段に上がった。
周辺地区の住民からは、布の端切れを
寄付してくれる人も現れた。目標数は2000個。
7月末で500個が完成しており、
冬頃には贈ることを目指している。

長谷川さんは「学校と相談して、
子どもたちにお手玉を直接教える機会を作れたら」
と期待している。
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