窒息事故相次ぐ 白玉や団子、子どもに注意


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小さく切って 「よくかむ」促そう

1~2歳の子どもが白玉を喉に詰まらせて死亡する事故が、
今年に入って東京都、栃木県内の保育所で相次いだ。
食品の窒息事故については家庭でも注意が必要だ。
専門家は「子どもの発達に合わせて、
細かく切るなどの工夫を」とアドバイスしている。

今年7月、栃木県栃木市の保育所で
2歳の園児が白玉を喉に詰まらせ、
約1か月後に死亡する事故があった。
同市は保育所の献立の見直しをしているという。
また東京都あきる野市の保育所でも
今年2月に白玉を詰まらせて1歳児が死亡しており、
8月になって東京都に報告があった。

窒息事故に詳しい昭和大歯学部教授の向井美恵よしはるさんは、
「1、2歳は好奇心も旺盛で、手づかみして食べたい頃。
ただ、奥歯はまだ生え始め。
かみ合わせが不十分なので、
団子などは丸のみする恐れがある」と指摘する。

このため、餅や白玉、ナッツ類、かみ切りにくいキノコ類などは、
奥歯の生えそろう3歳をめどに与え始める方がいいという。
コンニャク入りゼリーやミニトマト、ウズラの卵、ブドウなども、
ふとした拍子にのみ込んでしまう恐れがある。
6、7歳頃の前歯が生え替わる時期も、
うまくかみちぎることができないため、気をつけたい。

こどもの城(東京)小児保健部の
管理栄養士、太田百合子さんは、
「かむ力やかみ方には個人差があります。
年齢だけで判断せず、食事のときの
口の動きをよく見てみましょう」とアドバイスする。

「3歳以降でも、調理に工夫をし、しっかり見守りながら、
様々な食事を体験させてほしい。
危ないから食べさせない、ということでは
食の幅は広がりません」と話す。

秋のお月見団子など、白玉は行事食として
楽しむことも多いもの。
白玉を手作りする場合は、水の代わりに
豆腐を加えるアイデアを紹介する。
粘りが少なく、歯切れが良くなるという。
また、丸ごとのみ込んで喉に詰まりそうな
一口サイズの食べ物は、細長く切る、
小さく切るなどの配慮をする。

横浜市の小児科医、山中龍宏さんは、
「食事の際の行儀も大事。
寝ころんだり、食べ物を放り投げて
口に入れたりしないように大人が見守り、
きちんと座って、よくかんで食べるよう促そう」と話す。

東京消防庁によると、2007~11年に、
食べ物を詰まらせたり異物を誤飲したりして
救急搬送された0~5歳児は計5739人。
食品を詰まらせたケースが最も多く857人だった。

日本赤十字社東京都支部によると、
万一、食品が喉に詰まったときは、
まずせきをさせてみる。
出てこなければ119番通報するとともに、
子どもの背中をたたくなどして、
詰まっているものをはき出させる=イラスト=。
例えば、乳児の場合は、赤ちゃんのあごを
片手で押さえながら、腕に赤ちゃんのおなかを
乗せるようにして支え、
もう一方の手で背中をたたく。
幼児の場合は、ももに子どもを乗せて頭を低くし、
背中をたたく方法などがある。(小坂佳子、内田淑子)
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