【埼玉県】認定こども園、都市部で増えず


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待機児童解消を目指し導入された認定こども園の設立が、
待機児童の多い県内の都市部で進まない。
県内には27園あり全国10位(4月現在)だが、
さいたま市では1園、川口、朝霞、新座市などではゼロ。
設立や補助金の手続きが複雑なことや、
認定こども園の担い手と期待される幼稚園で
定員が充足していることなどが要因とみられる。(南智佳子)

◇「効果は限定的」

国会では手続きを簡素化するなど、
認定こども園を拡充する子育て関連法案が成立する見込みだが、
関係者からは「効果は限定的」との声も聞かれる。

さいたま市内で唯一の認定こども園「母の会」(同市浦和区)。
同園では保育所と幼稚園が併設され、
0~5歳の子供約110人が通う。
保育所と幼稚園の距離は約20メートル。
日中は別々に過ごしているが、
午後4時半になるとどちらかで一緒に過ごし、
保護者の迎えを待つ。
理事長の真崎みよ子さんは、
「幼稚園の子が保育所の子の世話をするなど、
年齢の違う子と触れ合うことで子供の世界が広がる」と話す。

真崎さんは「無駄な手続きは省くべきだ」と法案を評価するが、
「そもそも幼保一元化に抵抗を感じている
幼稚園、保育所関係者は多い」と話す。

◇余裕スペースなし

県子育て支援課は、都市部で認定こども園が
増えない大きな理由として、
〈1〉手続きが2省庁にまたがっており、煩雑
〈2〉幼稚園の定員が充足しており、スペースに余裕がない
――の2点を挙げる。

全埼玉私立幼稚園連合会の谷島正敏副会長も
「都市部の幼稚園には空き教室がない」と話す。
谷島副会長によると、子供の多様化で
少人数教育を行っている幼稚園が多く、
定員割れしていても教室に余裕はないという。
「土地を取得して増設するにも都市部では地価が高い。
多額の負債を抱えてまで
認定こども園にする園があるだろうか」と疑問視し、
「認定こども園が増えるかどうかは、
行政がどれだけ財政補助してくれるかによるだろう」と話す。

帝京大学教育学部の村山祐一教授(保育学)の話
「子供が少ない地方では認定こども園に
移行するところもあるだろうが、
都市部の幼稚園にはメリットがない。
待機児童対策として、認定こども園は無理がある。
保育所を増やした方が効果がある」
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