恵楓園保育所の園児減少 認可外で保育料高く


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国立ハンセン病療養所・菊池恵楓(けいふう)園(合志市)内で
2月に開設された保育所の園児数が減っている。
3月には18人まで増えたが、現在は約3分の1の7人。
公的補助金の少ない認可外保育所で
保育料が高いことなどが原因になっているとみられる。
子どもたちと交流している恵楓園の
入所者たちも心配しているという。(小笠原瞳)

保育所は「かえでの森こども園」。
ハンセン病問題解決促進法の趣旨に基づき、
国が「地域との共生」を目的に
療養所施設の活用を認めた全国初のケースとなった。

ただ、国、県、市町村が必要経費の
大半を補助する認可保育所に対し、
認可外は、ほぼ自己資金で運営しなければならず、
保育料は比較的、高額になる。

こども園も開設当初は保育料などが障害となり、
定員36人に対し、直前まで希望者は
1人しかいない状況があった。
そのことを伝える新聞報道などを受けて
園児11人でスタートできたが、4月以降、転園が相次いでいる。

松崎景子園長は「(保育料を)安くするには
職員を減らす必要があるが、それでは運営していけない」と困惑。
「恵楓園の入所者の方々が
心配されているから申し訳ない」とも話す。

こども園は近く保育所の空き部屋を一般開放する予定。
園児や保護者、入所者、一般市民が気軽に来室し、
イベントなどを通じて交流できる場とする計画で、
松崎園長は「PR効果も期待している」と話している。

合志市は国の補助金などを活用し
財政的に支援できないか検討中。
一般開放へ向けた実行委員会にも職員を参加させ、
事態の改善に協力している。
同市政策部の浜田善也部長は
「園はできたばかりで知名度があまりない。
これまで市との連携が明確でなかったが、
これからは一緒に問題点を考えていきたい」としている。

保育所の存続は、長い間、社会から隔絶されてきた
恵楓園の人たちの願いでもある。
入所者自治会の男性(79)は
「入所者の中には隔離政策で
子どもと離ればなれになった人もおり、
子どもたちとの交流を楽しみにしている。
何とか長続きしてほしい」と話している。
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