【岐阜】児童養護施設出身者の手記出版


中日新聞
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さまざまな事情から児童養護施設で育った
男女二十一人が半生をつづった「施設で育った子どもたちの語り」が
明石書店(東京都)から出版された。
編集代表を務めた中部学院大子ども学部(各務原市)の
喜多一憲教授は「養護施設の実情を知ってもらい、
施設で育った人たちへの差別や
偏見がなくなれなればうれしい」と話す。

施設職員や福祉専門家でつくる
全国児童養護問題研究会が編集した。
親の死や離婚、虐待などさまざまな理由から
施設で過ごした経験がある二十~五十代の手記を収録した。

「施設での生活は人生最大の宝物」と書いた女性は
「本気でしかられ、本気で突き放され、
本気で手を差し伸べてくれた。それは確かに愛情だった」
と家庭で得られなかったぬくもりを味わうことができたと記した。

小学一年から中学卒業まで施設で過ごした
北海道在住の男子大学生(21)は、
手記を通じて社会に訴えかける。

「社会に出て本当に困ったのは、
施設のことを知らない人が多く、
ただ悪い場所と思っている人がいる現実。
施設出身者が特別視されない社会になってほしい」。
施設について知らない人のために
児童養護に関する用語集も収録した。
千六百円。B6判、二百三十七ページ。書店で購入できる。
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