<変えよう 夏のでんき>夏休み自由研究 家庭の「見える化」 省エネナビ


東京新聞
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家庭内で電気をどれだけ使ったかが一目で分かる
電力の「見える化」が、節電に一役買っている。
簡単な器具を使って消費電力や電気料金を手軽にチェック。
「どうすれば節電できるか」が目の前で分かる。
親子で節電に取り組み、
それを夏休みの自由研究にすれば一石二鳥だ。(砂本紅年)

東京都中央区のマンションのリビング。
電気使用量などのデータ表示器をのぞきながら、
小学三年生の金子龍人君(8つ)が
「今日は使い過ぎたね」とつぶやいた。
「今朝は暑くて、エアコンをつけっぱなしだった」と、
父親博明さん(32)はばつが悪そうに頭をかいた。

子ども四人の六人家族。
オール電化の賃貸住宅で、一カ月の電気代は平均して一万円前後。
節電を考えていたところ、今年六月に開かれた同区の環境イベントで、
「試してみませんか」と省エネナビを薦められた。

省エネナビは、分電盤に付ける小型のセンサーと
表示器でセットのシステム。
同区は「二カ月間の無料貸与」で、
金子家では六月中旬から使用している。
表示器には、十五分ごとに更新される目標値や
一日の積算値などが示され、
目標値が達成できないと赤いランプで警告する。
目標値は自分で設定できるが、
金子家では子どもが二人少ない四人家族の一般的な使用量。
目標達成なら青いランプがつく。

博明さんは、子どもから「赤いよ!」と
注意されることもたびたび。
「エアコンで急増する。扇風機を併用と、
気を付けるようになった」と話す。

妻の有理子さん(32)は
「IH調理器で上がるので、圧力なべで調理時間を短縮。
乾燥機もあまり使わずベランダに干すようにしている」。
子どもも電気をこまめに消すようになった。
龍人君の夏休みの宿題に出ている
エコ絵日記にも活用する予定という。

電気代は昨年七月の一万三十五円が、
今年七月は八千四百二十円。
博明さんは「家族の節電意識が高まった。
機器を返却しても大丈夫」と満足げだ。

中央区では昨年七月から貸し出しを始め、
昨年度は二十九人が利用。
本年度は四カ月で三十七人が利用している。
統計的には「電気使用量は一割減ることが多い」という。

環境ジャーナリストの枝広淳子さんは
「見える化で家族全員が考え、行動できるようになるとよい。
実践的な環境教育ともいえ、
夏休みの自由研究にもお薦め」と話している。

<まとめ>家族みんなで気を付けた!
◆増える自治体の無料貸与各方面で普及の動き続々

省エネナビを住民に無料貸与する自治体が増えている。
都内や愛知県内などでは環境教育に利用している小学校も。
個人で買えるが数万円とやや高額。

また、電力各社は、次世代の電力計として、
電気の使用量や料金が確認できるスマートメーターの導入を計画。
東京電力は、2014年から10年間で管内全戸に設置予定。
中部、北陸各電力も順次展開する計画だ。

NTT東日本は今年1月から、同社の光回線サービスの利用者向けに、
見える化システムの提供を有料で始めた。
現在数千人が利用。
NTT西日本も同様のサービスを今年7月中旬から始めた。

個々の家電の消費電力を計る測定器も売れている。
家電量販店「ビックカメラ有楽町店」(東京)では、
コンセントに差し込んで家電につなぐ「ワットモニター」が人気。
5000円程度で、「電気料金の値上げの動きで、
問い合わせがさらに増えている」という。
同様の機器を貸し出している自治体もある。
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