学校プール安全どう守る 泉南・砂川小児童死亡事故から1年


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夏休みに一般開放されていた泉南市立砂川小のプールで
男児が死亡した事故から、31日で1年を迎えた。
市内10小中学校で夏休み中に行われていたプールの一般開放は、
準備が間に合わず、今年は中止に。
同小では、児童の心理的な負担に配慮して
体育の授業でも他校のプールを借りるなど、傷痕は大きい。
(諏訪部敦)

■事故 31日午後。児童の歓声のない、
ひっそりとした同小プール前に設置された献花台に、
向井通彦市長らが花束をささげた。
同小関係者は「風化を防ぎ、
二度とあのような事故を起こしたくない」と力を込める。

1年前のこの日、同小1年の男児(当時7歳)が
プールで溺れて死亡した。
プールの監視を委託された業者の監視員は
慢性的に不足していたが、
市教委は監督が不十分で見抜けなかった。
市の事故調査委員会は「安全性確保に
誰も責任を持たない体制」と報告書で指摘し、
市や業者を批判した。
府警が業務上過失致死容疑で捜査している。

■傷痕 事故は子供たちの心に深い傷を与えた。

同小では水を怖がったり、夜になったら泣き出したりするなど、
不安定な児童が出た。
同小は今夏、事故のあったプールを授業に使わず、
近隣の小学校にマイクロバスで通った。
事故を思い出させないよう、プールを改修する計画も進む。

市教委の担当者は「子供の心はデリケートで、
これからも注意深く児童を見守っていきたい」と話す。

■対策 市は夏休みにプールの一般開放を各校で
7日間行っており、2010年度は延べ計5900人が利用。
事故後中止した一般開放を今夏再開しようと、
予算約270万円を計上した。
だが、警察庁が「プール監視は警備業法上の
警備業にあたる」との認識を示した。
市教委が委託を検討していたスイミングクラブなどは、
いずれも警備業の資格がなく、
業者選びが間に合わないと判断、再開を断念した。

市は来夏の再開に照準を合わせ、
5月に50ページ以上にわたる再発防止策をまとめた。
その中で、監視員不足を見抜けなかった反省から、
特定の職員だけでなく、複数で業者の
巡回点検を行うことを明記。
有識者や保護者らで「学校プール一般開放安全委員会」も
発足させ、毎夏の一般開放開始前、実施中、
終了後に意見を出してもらうとした。

再発防止策は今後、具体化する予定。
向井市長は「反省の上にたち、
一つひとつ改善を進める。
市一丸となって取り組みたい」と話している。
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