都「認証保育所」:低所得者ほど負担大 補助金、23区で大差 文京・富森さん、「格差をなくす会」設立 /東京


毎日jp
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都の基準で設けられた「認証保育所」に通う保護者に対し、
自治体から支払われる補助の金額に、
23区内で大差が出ている。
所得によって保育料が異なる認可保育所の選考に落ち、
やむなく認証保育所へ通う家庭は、
所得によらず一律の保育料を納めることになり、
低所得者ほど負担が大きい。
居住する区によって、支払う保育料に
数万円の違いが生じる現状に対して、
格差を無くそうと母親が署名活動を始めている。【大沢瑞季】

文京区在住の明治学院大4年、
富森紅瑛(とみのもりべにえ)グレースさん(22)は、
学生結婚をして1歳の長男を育てながら大学へ通う。
認可保育所の選考から外れたため、
認証保育所に長男を通わせているが、
同区の2万円の補助を差し引いても
月約5万2500円になる保育料が大きな負担だ。
夫と共にアルバイトをしているが、収入は月15万円ほど。
所得により保育料が異なる応能負担の認可保育所だったら、
負担は小さかった。

富森さんは他の区の現状を調べるうちに、
区によって補助金額が異なることに気づいた。
認可でも認証でも、ほとんど保育料に差がないよう
補助する区もあれば、全く補助がない区までさまざまだ。

多くの待機児童がいる中で、
認可保育所への入所は
「フルタイムで勤務していなければ難しい」(自治体担当者)。
富森さんは「学生や非正規雇用、
介護や病気でフルタイムで働けない人などは
認可保育所に入りにくい。
やむなく認証保育所に入って、
認可より高い保育料を払わざるを得ない」と話す。

富森さんは5月、「保育料格差をなくす会」を設立。
インターネットの交流サイト、
フェイスブックを使って署名を集めているほか、
区議に「保育料の負担格差をなくしてほしい」と要望している。

一律2万円を補助する文京区の担当者は
「認証は、認可より長い13時間以上の保育をしており、
保育内容も違う。あえて認証を選ぶ保護者もおり、
補助で均衡を取る必要はない。
認可保育所を増やすことで待機児童対策をしたい」と説明する。

一方、荒川区は今年4月から、
認可保育所に通った場合との差額を補助している。
担当者は「認可からもれて認証に通っている世帯に対して、
不公平感を是正するために実施した」と説明する。

同様に認証と認可の差額をほぼ全額補助している品川区。
所得に応じて0〜4万円だった補助を
10年度から拡充した結果、3000万円だった予算は
今年度2億5000万円まで膨らんだ。
担当者は「来年度以降、
制度を変更する場合もある」と話している。

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■ことば
◇認可保育所と認証保育所

認可保育所は、国が定めた基準(面積、保育士の数など)
によって設立される。
区立と私立があるが、公費の補助割合が高く、保育料が低い。
認証保育所は、都が待機児童の解消を目的に、
面積などを緩和した独自の基準で設立。
民間事業者が運営し、保育料は上限はあるものの、施設が決める。

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◇認証保育所の保育料補助◇

(0歳児を1人預けた場合の月額)

千代田区 認可保育所より2割程度安くなるように

中央区  差額に応じて1万〜5万円

港区   所得に応じて2万円か4万円

新宿区  3万円(所得制限あり。10月以降の金額)

文京区  2万円

台東区  差額に応じて0〜2万円

墨田区  差額に応じて1万5000〜2万5000円

江東区  収入に応じて1万〜2万円

品川区  差額を助成(上限6万6000円)

目黒区  所得に応じて0〜4万円

大田区  1万円

世田谷区 所得に応じて0〜2万円

渋谷区  差額相当分を補助

中野区  差額に応じて1000〜2万円

杉並区  収入に応じて2万5000〜6万5000円

豊島区  差額に応じて0〜2万円

北区   1万5000円

荒川区  差額を助成(上限6万円)

板橋区  1万円

練馬区  2万円

足立区  1万7000円

葛飾区  1万2000円

江戸川区 なし
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