子どもたちにグラウンド 福島・二本松のNPO


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東京電力福島第一原発事故後に
外遊びを控えている子どもたちに役立てたいと、
福島県二本松市のNPO法人「TEAM二本松」が、
放射線量の比較的少ない岳温泉で
グラウンドの除染、整備を進めている。

「原発事故前の生活に近づけたい」との思いが、
地道な活動を支えている。

「ほら、まわりと全然違うでしょ」

8月20日午後、市中心部から車で約15分の
岳温泉に広がる約4000平方メートルの広場。
福田恒輝さん(36)が地表から1センチの高さに
線量計をかざすと、毎時0・064マイクロ・シーベルトを示した。
この15分前、市中心部の駐車場は
約3倍の同0・2マイクロ・シーベルトを計測したのに。

「ここなら安心して遊ばせてあげられるはず」

眼前に広がる安達太良山の緑に目を細め、
照りつける日差しの下、芝生の水まきを続けた。

「子どもたちが安全に暮らせる二本松をつくりたい」と、
福田さんは昨夏、市内で子育て中の仲間4人とNPOを設立した。
グラウンドを造ろうと決めたのは、
子どもたちの様子が原発事故前と
違っていることに気付いたからだ。
福田さんの仲間で同朋幼稚園(二本松市竹田)の
園長を務める佐々木篤行さん(35)は、
昨年4月から園を再開したが、
夏休み明けまで外遊びは禁止していた。
ある時、福田さんの7歳と5歳の息子たちが、
ホームセンターなどではじけたように走り回った。
そんな姿を見て気付いた。

「やっぱり子どもたちに我慢を強いていたんだ」

市内で場所を探してみると、
標高約600メートルの岳温泉の周辺は、
空間放射線量の比較的低い場所であることが判明。
市内の企業と交渉した結果、
2社が所有する更地を無償で貸し出すと名乗り出てくれた。
除染後、原発事故前の線量に引き下げられたという。

10月にはここで幼稚園の運動会を開催する。
いまはボランティアの高校生たちに力を借りながら、
芝生の養生を進めている。
寄付金で送迎用マイクロバスも購入した。

代表の佐々木道範さん(39)は
「除染すれば安心して子どもを遊ばせることが
できるようになる。子どもたちに元気を取り戻してほしい」
と話している。
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