子どもに残る心の傷=カウンセラー増員、福島は3倍に-「今後が重要」・被災3県


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東日本大震災から11日で1年半。
被害が大きかった岩手、宮城、福島3県の子どもの中には、
心の傷が癒えず、ストレスを抱えるケースも目立つ。
水を恐れたり、体調を崩したりする子のほか、
福島県では親の放射能ストレスが
幼児に影響しているとみられる事例も。
国はスクールカウンセラーの増員でケアの充実を図るが、
専門家らは「人手はまだ足りない」
「生活が落ち着く、これからが大事」などと指摘している。
文部科学省は震災後、
被災地にスクールカウンセラーを追加派遣。
今年度は3県に前年度比1652人(週単位でカウント)増の
延べ3929人を計画している。
うち2190人は福島県に派遣、前年度の約3倍に増やす。
同県では、東京電力福島第1原発事故による
放射能ストレスが深刻化。
福島大の筒井雄二教授(47)=実験心理学=によると、
放射線量が高い地域の3歳児を調べたところ、
親にまとわりつくなど甘える態度が目立った。
親が抱える不安やストレスが伝わったためとみられ、
筒井教授は「将来、体力や体重などにも
影響が出るだろう」と危惧する。
実際、同県郡山市では、4歳児約30人が
5歳になるまでの成長過程を追跡調査したところ、
震災前は年間2.4キロ増えていたが、
震災後は同1.5キロに鈍化。
調査した同市の菊池信太郎医師(42)=小児科=は
「明らかな異変」と警戒する。
 一方、岩手、宮城両県の沿岸部では、
異変が確認されるケースが増えている。
岩手県南部では今夏、
「津波を思い出すのでプールに入らない」という
小学生が散見され、宮城県南部の中学校では、
頭痛や腹痛など体調不良で授業に出られず、
頻繁に保健室を訪れる生徒が、今年に入って特に増えたという。
阪神大震災で被災した兵庫県で、
心のケアなどの配慮が必要な児童・生徒が
増えだしたのは、震災3年目から。
当時支援に当たった関西国際大の馬殿礼子名誉教授(78)は
「子どもは生活環境が落ち着くと、
ケアが必要なさまざまな症状が出てきやすくなる。
周囲の長期的な支えが今後求められる」と話す。
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