【鹿児島県】[学童保育] 設置率の向上が急務だ

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共働きや一人親家庭の小学生を、
放課後や長期休みに預かる学童保育の利用者が増えている。

全国学童保育連絡協議会の調査によると、
5月1日時点の利用児童数は全国で84万6919人と、
過去最多を記録した。
鹿児島県内は346カ所の学童保育で、
前年より約200人多い1万2094人の児童が過ごしている。

働く女性の増加や核家族化で、
学童保育へのニーズは高まるばかりだが、
県内では取り組みが遅れている自治体も少なくない。
親が安心して働ける環境をつくるためにも、整備を急ぎたい。

県児童クラブ連絡協議会によると、
鹿児島市は待機児童が多い校区を中心に
1校区2カ所以上の学童保育を設置、
志布志市や東串良町、肝付町なども
小学校と同数の学童保育を確保している。
一方、小学校数に対し学童保育の設置率が
1~3割台の市町もある。
県全体の設置率は6割程度で、
希望しても利用できない「潜在的な待機児童」は
きっと多いはずだ。

設置場所は、小学校内や公民館、保育所内、民家と
さまざまで、国が決めた適正規模の40人を超える子どもがいる
学童保育は4割近く、70人以上の施設もある。

学童保育は親が負担する保育料のほかに
行政の補助費(国、県、市町村が3分の1ずつ負担)で運営している。
県単独の補助はなく、鹿児島市や霧島市のように
独自に上乗せ補助金を出す自治体はあるものの、
多くは厳しい運営を強いられている。

背景には学童保育は親たちの
自主的な取り組みから始まった経緯があり、
運営形態は市町村に限らず、
地域で組織する運営委員会、社会福祉法人、
父母会など多様な事情がある。
1998年施行の児童福祉法改正で法制化され、
国は運営のためのガイドラインを示したものの、
罰則のない「努力義務規定」にとどまっていた。

こうした中、8月成立した社会保障と税の一体改革関連法で、
子育て支援として、小学3年生までとされていた
学童保育の利用を4年生以上も対象とすることや、
市町村が設備・運営の基準を条例で定めることが明記された。
学童保育のあり方がより明確になったのは一歩前進といえる。
しかし、国は学童保育の最低基準を示さないまま、
市町村に条例設置を委ねた形となり、
地域格差の解消にはつながらないと指摘する声もある。

学童保育は地域のつながりが薄れる中で、
異年齢の子どもたちが人間関係を築く場としての期待も高い。
保育の質を高め、子どもたちを健やかに育むには、
法制面の支援が重要だ。
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