多胎育児の難しさ、DVDに 宝塚の母親グループ


神戸新聞NEWS
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喜びの分だけ、疲労も大きい双子や三つ子の子育て。
母親が孤立しないよう、
兵庫県宝塚市の自助グループと大学教員が、
多胎育児の難しさを映像作品にまとめた。
あまり知られていないだけに、メンバーは
「妊婦さんや子育て中のすべての人、
育児支援に携わるスタッフに見てほしい」と話す。
(坂口紘美)

作品は「知ってほしい ふたごの子育て
~ふたごと過ごすホントの日常~」(15分30秒)。
多胎児の親のサークル「チェリーピア」が、
多胎育児を研究する同志社女子大社会システム学科の
越智祐子助教(39)=社会福祉学=の呼び掛けに応じ、
1年かけて制作。
ひょうご震災記念21世紀研究機構の
科学研究費補助を受けた。

きっかけは、越智さんが5年前、
双子限定の育児サークルを見学した際に、
参加者が漏らした一言。
「双子の育児のしんどさは2倍じゃなく、2の2乗(4)」。
「おそろいの服を着せたりできて楽しそう」
「出産や育児がいっぺんに済んでうらやましい」
といったイメージばかりが先行してか、
多胎育児の苦労は十分に知られておらず、
そのギャップに悩む母親もいた。

作品は、多胎育児中の女性や双子として
生まれ育った40代男性らへのインタビューと、
双子を連れた外出をテーマにしたドラマで構成。
エレベーターのないマンションで、
1人ずつ抱いて階段を上り下りしなければならず、
後回しにしてしまった子に「待たせてごめんね」と謝るシーン、
双子用で幅のあるベビーカーで外出した時は、
エレベーターやスーパーマーケットの
店内で邪魔にならないよう必要以上に気を使い続ける場面など、
多胎育児なら誰でも思い当たる出来事を収めている。

チェリーピア代表の山田律子さん(41)は
小学3年の双子の母。
「一人歩きするまでの1年はつらくて、
どうやって生活していたかあまり覚えていない」と話す。

生後4カ月のころ、風邪気味の長男を病院に連れて行き、
医師にうんちの状態を聞かれたが、
すぐに答えられず、自己嫌悪で診察後に落ち込んだ。

「飲んだミルクの量やおむつをチェックするのは
母親として当たり前。でも、2人だと分からなくなることがある。
それ以降、メモをつけるようになった」

1人なら何とかこなせることが、
2人になると途端に難しくなることは意外に多い。
チェリーピアのメンバーから、
夜中の授乳で相談されたことがある。
交互に泣いておっぱいを求めるため、
女性は一睡もできなかったという。

「割り切って、授乳時間を
決めてしまえばいいのだけど、
眠っている子どもを起こすことに負い目を感じてしまう人もいる。
多胎児を育てた経験がない人に相談しても
『年子に比べたらまし』と共感してもらえないこともある。
悩みを打ち明けられない点もつらい」

作品では、多胎児を育てる母親への周囲の
手助け例も紹介している。
山田さんと越智さんは「今後、
作品の上映や多胎育児に関する
講義を各地で開きたい」と意気込む。
問い合わせはチェリーピア
(guri_sanka@gaia.eonet.ne.jp)



県内各地の多胎育児支援サークルや
子育て教室などの情報は「ひょうご多胎ネット」
(電子メールhyogotatainet@smail.plala.or.jp)
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