子どもの守護神 猩々人形復活へ


YOMIURI ONLINE
------------------------------------------------
◇天然痘封じ「今はいじめ、虐待」~守山の市民団体

 「死病」といわれた天然痘封じの願いを込めて
道端や家庭に飾られていた「猩々(しょうじょう)人形」を復活させようと、
守山市の市民団体「郷土守山を愛する会」(川端美臣会長)などが、
再生プロジェクトに取り組んでいる。
歴史や実態を調べて設置場所や意義を新たに定め、
いじめや虐待など子どもが被害にあう
〈現代の病〉を退治する守り神にしたいという。

(高山智仁)

 猩々は、中国から伝わった人面の赤毛の猿に似た
空想上の動物で、酒を好むとされる。
人形は、天然痘の神が赤を嫌うとされることから、
旧東海道沿いを中心に江戸時代から広まったとみられる。
県内では、守山、草津、野洲の各市などで、
感染症の天然痘から子どもを守ってもらえるよう、
十字路の角や家庭のかまどの上などに飾る風習があったという。

 予防接種の普及で天然痘は根絶され、
人形は1970年代半ばには姿を消した。
守山の歴史文化を調べている同会など3団体が、
いじめや児童虐待、事故などの危険から子どもたちを守る
新たな守り神として、8月に「再生プロジェクト委員会」を発足させた。

 毎月第3火曜日に市内で定例会を開くことにしており、
〈1〉どのように置かれていたか
〈2〉置く場所ごとにどういう意味があるのか
〈3〉人々の生活とどう関わっていたのか――などを研究する。

 同市の商店には、張り子の人形
(高さ約13センチ、幅約5センチ)1体が、
一緒に飾ったとされるダルマのような人形、
皿とともに3点セットで残されており、
委員会は人形を参考に試作品作りを進めている。
今年度中に子どもたちを対象に製作体験学習会を開くなどし、
来年度から本格的に復活させたいという。

 川端会長は「子どもたちを守る決意の象徴として、
『平成の猩々人形』を作る」と話している。
------------------------------------------------
保育士新卒 新卒情報 保育士転職