子供同士のトラブル対処…広まる「調停研修」


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教育現場で子供同士のトラブル解決に
必要なノウハウを専門家に学ぶ動きが広まっている。
「メディエーション(調停)」と呼ばれる手法で、
子供の社会性を育てることが目的だ。

指導にあたる元小学校教諭の池島徳大・奈良教育大教授(61)は
「トラブルをそのままにしておくと、
子供の不満は保護者や友人に広がり、
やがて先生に返ってくる」と話し、
「早い段階で丁寧に対応することは、
子供と教員の双方に意義がある」と強調する。

生駒市の市立真弓小で8月下旬にあった教員研修。
「どうしたんだ」。小学校で昼休み、
児童がボールを取り合ってトラブルになったという想定で、
教師3人が5年生2人と担任になりきり、
ロールプレイング(役割演技)を始めた。

担任役は「まず、話し合いのルールを決めよう。
お互いの言い分をしっかり聞こうな」と
児童役の2人に語りかけた。
参加した約20人はメモを取りながら聞き入った。
 学校でのいじめが再び社会問題になった今夏、
池島教授は、各地の学校や教育委員会の求めに応じて
夏休み中、滋賀県や大阪府など約20か所で研修を開いた。

「教職課程に解決方法を学ぶ授業はなく、
現在は現場に対応が任せられているため、
『ノウハウを知りたい』という教員は多い」(池島教授)といい、
同小も、「学校では、日常的にけんかが起こる。
若い先生らが対応を学ぶ機会が必要だと
痛感していた」(井上廣校長)と企画した。

ポイントは、
▽教師は「ダメじゃないか」などとすぐに結論を出さない
▽相手の話を遮らないといった話し合いのルールを提示する
▽「どうすればいいかな」と、
解決方法を子供たちに考えさせる――など。
子供は思いを話すこと、トラブルが解決できたことで、
自分の成長を感じることができるという。

5年生の担任の教諭(35)は
「これまでトラブルがあっても、
子供自身の解決力を引き出すところまで待っていなかった」
と振り返り、「この方法で子供たちに接すると、
クラスも変わってくるのでは」と期待する。

文部科学省児童生徒課の担当者も
「いじめを未然に防ぐためには
子供のコミュニケーション能力を高めることが
有効とされている。
この手法を用いれば、
子供たちの会話をうまく引き出すことが
できるのではないか」と話している。
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