いじめで出席停止 品川区方針に理解の声


YOMIURI ONLINE
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いじめ問題が注目を集める中、品川区教育委員会は
5日、いじめを繰り返す児童・生徒を「出席停止」にする制度を
積極的に運用することを決め、
区内の教職員のほぼ全員にあたる
約1200人を集めて研修会を開いた。
多摩の自治体では品川区の方針に理解を示したが、
出席停止の適用に慎重な声や、
抑止力になるのか疑問視する声もあった。

出席停止は、学校教育法に定められた制度で、
学校の秩序維持のために、問題のある
児童・生徒の出席を制限するというもの。

品川区は今回、「あくまで最終手段」とした上で、
いじめから子供を守る立場から、
出席停止の手順を「手引書」にまとめ、教員らに説明した。
今後、各校で保護者会や、子供たちには
授業などで制度の周知を図るという。

ただ、都教委によると、都内では2010年度までの
5年間で出席停止を適用したケースはない。
教育機会の制限にもつながるため、教育現場では適用に慎重だ。
江東区の担当者は「(品川区は)いじめ問題に取り組む、
不退転の姿勢を示す意味があったのでは。
適用には多くの情報が必要になる」、
三鷹市の担当者も「実際に適用する際は、
個々のケースによって慎重な判断を迫られる」と推測する。

■町田

一方、町田市教委指導課の小池慎一郎課長は
「出席停止は、もともと問題行動を繰り返す児童・生徒への対策。
被害者だけではなく、周囲の子供への影響も考えたとき、
いじめを繰り返す子供に出席停止という
ペナルティーを科すことは、
いじめ問題への対策として十分にありえる対応だと思う」と
品川区の方針に理解を示した。

だが、出席停止がいじめの解決になるわけではない。
抑止力として有効なのかも分からないとし、
「積極的に適用する予定はない」と話す。

町田市では、まずいじめを早期発見し、
被害者と加害者を作らないための対策に重点を置いている。
その上で、小池課長は
「いじめの度合いがひどければ警察と連携し、
『犯罪』になることを示すことで
抑止力にしたいと考えている」と述べた。

■立川

立川市教委指導課の担当者も、
「出席停止という制度自体は、
国が示している範囲内での対応なので、
適用に問題はないと思うが、
目的は学校の秩序を守ることであって、
加害者の懲罰ではない。
懲罰の意味合いで運用できない以上、
いじめの抑止力になるかは疑問」との見解を示した。

さらに、「制度の目的を誤解させないよう、
出席停止者への学業のフォローや、
他の児童・生徒への適切な説明を
心がける必要があるだろう」と運用上の課題を指摘する。

■八王子

八王子市教委では、抑止力として
出席停止の措置を強調することには慎重な姿勢だ。
山下久也・統括指導主事は
「必要で有効と判断すれば出席停止も辞さないが、
別室登校など他の対応方法もある。
学校から児童・生徒を排除する
出席停止はあくまで最終手段だ」と指摘する。
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