江戸川区立幼稚園:全廃巡り保護者反発 「最低限の受け皿を」 区、少子化とコスト削減主張 /東京


毎日jp
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 江戸川区立幼稚園の存続を巡り、
区と保護者の間で論争が起こっている。
区は、子ども数の減少やコスト削減を理由に、
区立鹿本幼稚園(本一色2)を14年で廃止し、
残る3園もいずれは全廃する意向だ。
だが保護者の間からは、公立幼稚園は
私立では受け入れが難しい発達障害や
病気の子どもの受け皿になっているとして
「廃止になれば行き場のない子どもが出る。
最低限の数を残してほしい」との声が出ている。【大沢瑞季】

 江戸川区は昨年9月、鹿本幼稚園を
14年3月に閉園する方針を保護者に伝えた。
理由として▽子ども数が減少し、今後も減る傾向が見込まれる
▽児童1人当たりの公費負担額は、
区立幼稚園は78万円で、私立幼稚園(32万円)の
倍以上となっている−−ことなどを挙げた。
他の公立3園についても、鹿本幼稚園の閉鎖から
3年後に1園、さらに2年後に1園を閉鎖。
退職教諭の補充をしないため、
残り1園もいずれ廃止となる見込み。
鹿本幼稚園は発達障害児のための施設に転用するという。

 一方、保護者は「江戸川区立幼稚園を守る会」
=桑原正義代表(42)=を結成。
2万8000人の署名を集め、閉園の延期などを求めて
陳情や公開質問状を提出してきた。

 守る会が区立幼稚園児の保護者211人から
回収したアンケートでは、発達障害の子どもを持つ親らから
「通っていた私立園から退園を迫られた。
区立園が受け入れてくれて、
今は健常児の友だちと共に成長している」
「私立3園から断られたが、区立では
『幼稚園に入ったら落ち着くはず、大丈夫』
と受け入れてもらい楽になった」などという意見が
寄せられている。

 「私立は各園で方針が異なるため、
公立幼稚園が発達障害や病気の子どもの受け皿となっている」
という守る会の訴えに対し、
区は「私立でも受け入れる園はある。区として、
今後も私立で受け入れが進むよう対策を検討していく」とする。

 廃止を決める手続きについても、
守る会は「外部の意見を全く聞かず、
一方的に決められている。
パブリックコメントも行っていない」と訴える。
江戸川区は「保護者の意見を聞けば反対でまとまる。
私立幼稚園は定員割れしているところが大半で、
入園が間に合わないことはない」と話し、
閉園の進め方に問題はないという姿勢だ。

 桑原代表は「今の区立幼稚園は
セーフティーネットの役割を果たしている。
行き場のなくなってしまう子どもを作りたくない」と話す。

 23区内では、大田区が09年3月で9園あった
区立幼稚園を全廃。
また練馬区では、区立5園のうち2園の廃止を決めたが
「区立園には特別支援教育や
小学校との連携で先導的役割を果たす必要がある」として、
3園の存続も決めている。
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