明石市、津波浸水域に保育所計画 パチンコ店阻止狙い


神戸新聞
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兵庫県明石市が、南海トラフ巨大地震による
津波の浸水予測区域内にある建物に、
保育所分園を開設しようとしている。
隣接する旧明石淡路フェリー(愛称・たこフェリー)乗り場跡地を
風営法上の規制対象とし、
パチンコ店進出を阻止するための“秘策”だが、
安全性を二の次に、子どもたちの施設を
「盾」に使う手法は議論を呼びそうだ。(森本尚樹)

同市によると、分園として賃借する建物は85平方メートルで、
0~2歳児15人を受け入れる。
リフォーム費用2千万円を、開会中の市議会9月定例会に提案した
一般会計補正予算案に盛り込んだ。

分園開設計画は6月、
「フェリー乗り場跡地を所有する不動産会社が
パチンコ店への売却を検討している」という情報を
つかんだ同市が急きょ決めた。

保育園は風営法上の「保護対象施設」で、
近接地にはパチンコ店やゲームセンターなどが立地できなくなる。
同市は7月、不動産会社に規制を示唆した上で
「歴史や文化性を考慮し、用途を熟慮」するよう求めた。

だが、分園を設ける民家一帯(標高2・6メートル)は、
南海トラフ巨大地震での最大想定高3メートルの津波が来た場合、
防潮堤が途切れたフェリー乗り場部分からの浸水が予想される。
さらに、ダンプカーが行き交う国道交差点に面している上、
騒音や砂煙が問題となっている明石港砂利揚げ場の
すぐ対岸にあり、保育環境が良好とは言い難い。

同市は「近くに高層マンションがあり、
津波到達が予想される109分間で避難できるので問題はない。
0~2歳児はあまり外出させないし、
建物のリフォームに際し、安全や外気の遮断に配慮したい」
と説明している。

市議の一人は「なぜ、あの場所でなければならないのか。
どうしても子どもを預けたい人はそれでも利用せざるを得ず、
土地活用の駆け引きのためだとすると本末転倒だ」と批判している。
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