音楽の出張授業広がる…問題解決への姿勢育み

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 子どもたちの心に潤いを与え、
学力向上にもつながるとされる音楽の出張授業
「アウトリーチ」が注目を集めている。

 新潟市民芸術文化会館「りゅーとぴあ」が中心となり
研修会を開催している。
その効果は現場の教育者にも評価されており、
実施を希望する学校が増えている。

 「オナカスイタ」。バイオリンが人の声をまねた音を出すと、
子どもたちから笑い声がもれた。
新潟市立白山小5年生30人を招いた
研修会の模範授業で、バイオリニストの神谷未穂さんは
「曲の中で何かの音が聞こえるよ」と語りかけ、
ディニークの「ひばり」を演奏した。
弦をこするピヨピヨという音が鳥の鳴き声と
気づいた子どもたちは、笑顔を浮かべた。

 ニッセイ基礎研究所(東京都)の
吉本光宏・主席研究員によると、
英国で1万3000人の子どもたちに
芸術授業を行った結果、校長510人のうち9割が、
子どもたちの読み書き能力が向上し
自信が高まったとアンケートで回答。
体験型の芸術授業は自分自身で考えることを促し、
問題解決への姿勢を育むという。

 同館が行った学校への出張演奏会のアンケートでも
子どもたちからは「中学で吹奏楽をやろうと思った」
「家族と聴きたくなった」など前向きな感想が多く、
情操へのプラス効果がうかがえる。
県内でアウトリーチの開催を希望する学校は
この12年間で倍増し、40校になった。

 手法については、同館や専門家が研修や現場で指導する。
模範授業を行ったピアニストの田村緑さんが
「クイズを取り入れたが、
答えを外した子どもが負担を感じるかも」と打ち明けると、
東京芸術大非常勤講師の児玉真さんは
「違う見方を見つけてくれたと褒めては」などとアドバイスした。

 学校側との打ち合わせや、
司会や台本などの準備は大変だが、
演奏家にとっても、自分が何を伝えたいのか、
原点を見つめ直す機会になるという。
研修会を受講したテノール歌手の長川慶さんは、
「プロデューサー的な視点で、
自分だけのプログラムを作りたい」
と新たな目標を見つけたと話す。
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