伊那市の西箕輪診療所 病後児保育の利用低調


Nagano Nippo
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 伊那市が同市西箕輪の西箕輪診療所内で行っている
病後児保育の利用が、低調に推移している。
サービスを開始した2006年度から昨年度までの
年間利用者は平均2.6人で、利用回数は同9.4回。
今年度はまだ一度も利用がない。
市子育て支援課は、同診療所が市の中心部から離れていることや、
病気の子どもを一時的に預かる
病児保育に対応していないことから
「預けにくい面があるのかもしれない」と受け止め。
保護者の需要や民間の取り組み状況などを分析し、
対応を検討するとしている。

 病後児保育は、病後の回復期にあり集団生活が難しい子どもを
一時的に預かるサービス。
市は働く女性などを支える子育て支援策として
西箕輪診療所内に保育室を確保し、
同診療所の看護師と近くの西箕輪保育園の
保育士が対応する形で06年度に開設した。

 サービスの対象は市内の1歳以上の保育園児で、
対象者は今月1日現在で約2100人。
事前登録制で今年度は56人が登録している。
比較的同診療所周辺の園児が多いという。

 市が市内保育園の保護者に行ったアンケート調査では、
「病児も預かってほしい」との声が寄せられたほか、
市議会9月定例会の社会委員会では、
市議から市中心部への移転を求める意見も出された。

 市側も病児保育の必要性を認識し、
昨年、伊那中央病院に開設を打診したが、
同病院が広域的な施設であることなどを理由に
見合わせた経過がある。
昨年10月から、NPO法人「絆」が
同市西春近で運営する宅幼老所「きずな」で
病児病後児の受け入れを始めたこともあり、
具体的な検討は行っていない状況だ。

 同宅幼老所では、開設から1年間で、
市内の3人が発熱などで計8回、病児保育を利用。
やはり病後児保育の利用はないという。
「うちは介護保険事業が中心ということもあり、
まだ利用回数は少ないが、子どもの急病に困る保護者は多い。
サービスが周知され、低負担で利用できれば
需要はもっとあるはず」と話している。
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