数滴でも入院の恐れ、子供の目薬誤飲に注意 米当局


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 米食品医薬品局(FDA)は10月25日、
市販の目薬や点鼻薬の誤飲による、
子供の重篤な事故(有害事象)の報告があったとして
安全性情報を発表した。
これらの薬剤には目や鼻の充血などを取る
血管収縮作が含まれるものがある。
これらの成分を誤飲することによって
吐き気や嗜眠(しみん=強い刺激を与えないと
覚醒しない意識障害)、
頻脈といった症状が起こることがあり、
中には入院による治療を受けた例も報告されている。
子供では数滴でもこうした症状が起こるという。

死亡例ゼロも半数以上が入院

 今回安全性情報の対象となっている目薬や点鼻薬には、
テトラヒドロゾリンやオキシメタゾリン、
ナファゾリン、キシロメタゾリンといった
血管収縮作用のあるイミダゾリン誘導体が配合されている。
これらは日本の市販薬にも配合されていることがある成分だ。

 外用による全身への影響はほとんどないが、
口から摂取すると高い割合で体内に吸収され、
全身的な作用を引き起こすことが知られている。
FDAによると、誤飲による子供の有害事象は
1985年からこれまでに96件報告があった。
年齢は1~5歳、死亡例はゼロだが、
53人が吐き気や嘔吐(おうと)、嗜眠、頻脈や
血圧異常、流涎(よだれ)、昏睡などで
入院していたことが分かったという。
FDAの担当官は「こうした事例は実際、
もっと多く起こっているのだろうが、
過少報告になりがち」とコメントしている。

 子供では、1~2ミリリットル程度の
ごくわずかな薬剤でもこうした症状が起こり得ることから、
誤飲を避けるため子供の手の届かない場所に
薬剤を保管するよう、注意を呼び掛けている。
また、これらの製品を誤飲した場合には
中毒情報センターに電話し、
救急外来を受診するよう求めている。

チャイルドレジスタントパッケージ適用を

 さらに誤飲の防止策として、
FDAは消費者向けレポートで
以下のようなアドバイスを行っている。
医薬品は子供の手の届く、
あるいは見える範囲よりもかなり高く安全な場所に保管すること
医薬品やビタミン剤はキッチンカウンターや
病気で寝ている子供の枕元などに決して置かないこと
医薬品容器にチャイルドレジスタントパッケージ
(いたずら防止の工夫がされた容器)がない場合、
使用のたびにきちんとふたが
閉まっているかどうかを確認すること
ベビーシッターや客が訪問してきた際には、
彼らの財布やバッグ、コートなどに
医薬品を隠した上で子供の見えないところにしまってもらう
子供は大人の真似をしたがるものなので、
子供の前で医薬品を使わないようにすること

 一方、保護者の注意だけでは
子供の誤飲事故の減少は難しいとの指摘もある。
今年初めには、米国消費者製品安全委員会が
一定量以上のイミダゾリン誘導体を含む
目薬や点鼻薬にもチャイルドレジスタントパッケージの
適用を求める規定案を発表したばかり。
米国などではすでに誤飲事故の多い
風邪薬などに対し、チャイルドレジスタントパッケージとして
プレスアンドターン方式(押しながら回して開ける方式)の
キャップの使用が一般化している。
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