横浜市が「送迎保育」大幅縮小、利用実績なく一部廃止/神奈川

カナロコ
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 保育所の待機児童解消策として、
横浜市が肝いりで導入した「送迎保育ステーション」事業の
効果が上がらず、大幅に縮小することが2日、分かった。
子どもたちを駅から離れた保育所に
バスで送り迎えする事業だが、
2012年度末に現在の5カ所のうち、
利用実績のない2カ所の送迎保育を廃止する。

 同事業は駅近くに開設した「ステーション」を
認可保育所にして0~2歳児を預かる一方で、
3~5歳児は離れた保育所までバスで送り、
日中は園庭のある施設で伸び伸びと育てる。
子どもは夕方に再びステーションに戻り、
午後9時ごろまで親の迎えを待つ仕組みだ。

 保護者は朝7時から通いやすい駅近くで預けられる上、
立地条件で劣り、定員割れしている保育所も有効に使える
“一石二鳥”の政策として期待された。
事業を始めた11年度は都筑区と旭区、
12年度は旭、金沢、戸塚区で、計4区5カ所で導入している。
12年度の事業費は約8400万円計上した。

 しかし、現在230人の受け入れ枠に対して
利用者は旭区14人、戸塚区6人の計20人にとどまる。
都筑区と金沢区はゼロだ。

 市こども青少年局は効果の上がらない理由として、
「13年春の待機児童解消に向け、
市全体で保育所の整備が進み、
身近に通える保育所が増えてきた。
さらに、この事業では保護者が週1回、
保育士とのコミュニケーションを図るために
離れた保育所を訪問するが、負担に感じているようだ」
と説明する。

 また、ステーション自体の知名度が高くなかったことや、
バスに乗っての通園による子どもの心身への
負担なども課題となり、
利用者は市の予測より伸びなかったという。

 市は都筑と金沢については今後も利用者の見込みがなく、
ことし9月、送迎保育の終了を決めた。
他区への事業拡大もしないという。
市幹部は「事業前の利用見通しに甘さがなかったかどうかなど、
今後の検証が必要になる」と話している。

 2日の市会決算特別委員会で、
望月高徳氏(みんなの党)が質問した。
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