被災地のため集めた絵本を翻訳、インドネシアに


YOMIURI ONLINE
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 全国から本を集め、東日本大震災の被災地で
図書館作りを行っている栃木県足利市の
一般社団法人「みんなのとしょかん」が、
2004年のスマトラ沖地震と津波で大きな被害を受けた
インドネシアに絵本を送る活動を進めている。

 両国の言葉が分かるボランティアに翻訳を手伝ってもらい、
6月にはスマトラ島に60冊、9月にはジャワ島に20冊を送った。
今後も継続して送り続けることにしており、
同団体代表の川端秀明さん(38)は
「インドネシアの子供にも本を読むことの
面白さを知ってほしい」と話している。

 川端さんは東日本大震災発生直後の昨年4月から、
ツイッターなどで全国から本の寄付を募り、
避難所の一角などに仮設図書館を設置する活動を展開。
これまでに岩手、宮城、福島の3県の
計12か所に図書館を設置してきた。

 しかし、寄せられた約10万冊の本の約4割が絵本や児童書。
時間がたつにつれ、大人が読む小説や
実用書を求める被災地のニーズとずれが生じ始めた。
川端さんは「せっかく寄付してもらったのだから、
何とか活用できないだろうか」と考えていたところ、
東南アジアでは子供用の絵本が普及していないことを聞き、
地震と津波の被害を受けたインドネシアに送ることにした。

 今年5月には、足利工業大や群馬大に通う
インドネシア人留学生らの協力で翻訳活動をスタートさせ、
7月からはフェイスブックを通して
翻訳ボランティアの募集も始めた。

 翻訳作業は、川端さんが日本語の絵本を
写真に撮ってデータ化し、ボランティアに電子メールで送信。
ボランティアはインドネシア語に訳した
文書データを川端さんに送り返し、
川端さんが翻訳文を本にはり付ける。
ボランティアは2人以上のグループを作り、
細かいニュアンスが間違っていないか相互に確認する。

 8年前からバリ舞踊を学び、
インドネシア語を勉強している
神奈川県茅ヶ崎市の中井恵美子さん(53)は、
8月にフェイスブックで活動を知って翻訳作業に参加。
中井さんは「東日本大震災後は、
インドネシアのどこに行っても津波のことを心配してくれた。
現地は子供用の絵本が少ないので、
これからも続けていきたい」と話す。

 現地に送る本には、日本に興味を持ってもらおうと
日本語の文章も残している。
川端さんは「どの本も持ち主の思い出が詰まった大切なもの。
インドネシアの子供にも同じ思いをしてもらえるよう、
これからも中継係としてバトンを渡し続けたい」
と意気込んでいる。
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