児童見守る「お帰りパトロール隊」 総理大臣賞輝く 和歌山市松江小校区

msn産経ニュース
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 ■犯罪に強い地域作りに貢献 校長「本当に心強い存在」

 和歌山市松江地区で、市立松江小学校の通学路を
見守る活動を続ける地元住民のボランティア団体
「松江地区お帰りパトロール隊」が、
犯罪に強い地域作りに貢献した個人や団体に贈られる
「安全・安心なまちづくり関係功労者表彰」の
内閣総理大臣賞を受賞した。
県内の団体の受賞は初めてで、
活動を通して地域住民と子供たちの交流も深まっている。
(益田暢子)

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 「これから子供たちが下校します」-。
地区に放送が流れると、各隊員が交差点や歩道脇などに立ち、
学校帰りの児童を迎える。校
区を隅々まで見守れるように、自転車部隊も巡回する。
隊員が「おかえり」と声をかけると、
子供たちは「ただいま」と元気よく返答。
隊長で松江地区連合自治会長の川崎敏弘さん(74)は
「始めたばかりの頃は恥ずかしがっていたけど、
今ではみんな元気にあいさつしてくれる」とほほ笑む。

 パトロール隊は平成16年に発足。
その前年に大阪府熊取町で
女児が行方不明になった事件などを受け、
川崎さんが「松江の子供は自分たちで守ろう」と
婦人会など各団体に呼びかけた。

 当初は「小学校や警察がやるべきことだ」
と反対の声もあったが、
今では地域住民約650人が隊員となり、
毎日交代で通学路の見守りを続けている。
横瀬勤校長(59)は「本当に心強い存在。
最近は地域の教育力が落ちてきているが、
パトロール隊のおかげで松江地区は
子供を見守る意識が高い」と話す。

 活動を通じて子供たちと住民との絆も強まった。
同小では毎年、隊員を招待する「ありがとう集会」を開催。
歌を披露したり、掃除で集めたアルミ缶を換金して
購入した横断旗や腕章などをプレゼントしているという。
川崎さんは「毎回うれしくて涙が出てね。
私たちが子供たちに励まされている」と話していた。

 9年目を迎えた活動の課題は後継者問題だという。
隊員の平均年齢は70歳。
川崎さんは「もうそろそろ引退かな」と笑い、
「受賞はパトロール隊の大きな励み。
新たなスタートとして今後も頑張っていかなあかん」
と力強く話した。
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