子ども救済 千葉法務局の「SOSミニレター」利用急増


東京新聞
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 いじめ問題が全国的に深刻化する中、
千葉法務局(千葉市中央区)が続けてきた、
子どもに手紙で悩みを専門家に相談してもらう
「SOSミニレター」の利用が急増している。
開始当初の二〇〇六年度は三百八十三通だったが、
一〇年度から利用が年間千通を超え、
昨年度は最多の千百十二通だった。
手紙には「同級生から殴られる」
「死んでしまえと言われ死にたくなった」と
助けを求める子どもの悲鳴がつづられている。
(佐々木香理)

 SOSミニレターは、家族や友人の目を気にせずに
小中学生の悩みを打ち明けてもらおうと、
法務省が〇六年度から導入し、千葉でも始まった。
全国の小中学校に切手不要の封筒付き便せんを配り、
児童や生徒が悩みを書いて送ると各地域の法務局に届く。
法相の委嘱を受けた委員が電話か手紙か、
子どもに選んでもらった方法で返信する。

 利用は、全国的には最多(約二万三千通)となった
一〇年度に県内でも千七十一通と、
前年度の五百七十二件から倍近く増え、
昨年度も増加が続いた。
千葉法務局は「制度が周知されつつある」とみている。

 千葉法務局に昨年度届いた手紙は小学生からの利用が主で、
三、四年生が全体の約三割を占めた。
相談内容はいじめの悩みが
四百八十七通で四割を超えた。
中には所定の便せんで書き切れず、
自前の便せんを足して書いてくる子もいるという。

 届いた手紙は一週間をめどに返信し、
書かれた秘密は厳守。
手紙のやりとりが続くこともある。
文面に「死にたい」「これ以上生きていたくない」
といったSOSの言葉がある際は緊急を要するとして、
学校側に子どもを注視するよう連絡することもある。

 家族に内緒で手紙を送ってくる子の場合、
その後の連絡手段の確保が難しい場合もあり、
試行錯誤は続く。

 千葉法務局は、今月中旬から
県内の小中学校に五十五万枚を配布する予定だ。
より多くの子どもたちの声をすくい上げるため
「学校に出向いて開く人権教室で
制度を紹介していきたい」と話している。
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