ストレス対処法、児童に指導 久留米市・青峰小で効果も


西日本新聞
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 イライラ、もやもやと上手に付き合い、
友人関係や学校生活のストレスも解消-。
久留米市立青峰小学校(中原浩校長、187人)が、
児童自身で心身をコントロールする力を身に付ける
「ストレスマネジメント」教育に取り組んでいる。
これまでは突然、教室を飛び出す児童や、
ケンカが多かったものの、
「けがが減った」「落ち着きが出てきた」と
学校の雰囲気が変わってきたという。

 昼休み後の掃除を終えてにぎやかにしていた児童たちが、
ばたばたと教室に戻ると一斉にいすに座った。

 「目を閉じて姿勢を整えましょう」
「さあ息を吸います。1、2、3、4、止めて。吐きます」

 同小では、毎日午後の授業開始5分間を
「青峰すっきりタイム」と呼び、
校内放送に合わせて全校児童が目を閉じて深呼吸と、
力を抜くための肩の上げ下げ運動を行う。
最近は常に体が緊張している児童が目立ち、
情緒を安定させるための「脱力した感覚」を
体に覚えさせるという。

 同小がストレスマネジメント教育を始めたのは2008年。
当時、授業中に教室を飛び出す児童や、
思っていることを言葉で伝達しきれず、
けんかに発展する傾向も見られた。
教員が対応に苦慮する状況が続き、
スクールカウンセラーのアドバイスを受けて導入した。

 各学年に応じて「友だちの誘い方」「上手な断り方」といった
対人関係の対処法を、授業でロールプレーイング
(役割演技)しながら習得を目指している。

 同小勤務7年目の川村美樹教諭は
「学校全体の雰囲気は良くなってきている。
けんかが起きても、周りが『一呼吸しよう』と
声かけするようになった」と変化を肌で感じている。

 けがによる保健室利用者数は導入前の
07年度で1309人だったが、10年度は1166人に、
病気による利用者数も860人から
450人にまでそれぞれ減少した。

 クラブ活動の試合と発表会の前などに緊張をほぐすため、
深呼吸や肩の上下運動を実践している児童も多いという。
中原校長は「授業で学んだ心身のコントロール方法を、
日常生活で生かせるような指導を続けたい」と話している。


■青峰小・ストレスマネジメント授業の例

 「上手な断り方」(高学年)

 一緒に遊ぶ約束を断ることになった場合などに、
「相手の気持ちを尊重」した言葉の使い方や相手との距離、
断る理由を考えて実践し、断ることの大切さを理解する。

 「上手な聴き方」(中学年)

 話している相手が笑顔になるような聴く側の表情、
うなずき方、態度を考えて練習。
話を聴いてもらうことの気持ち良さや大切さを理解する。

 「イライラをやっつけよう」(低学年)

 自分の利き手や利き足はどちらかや、
自分が悲しくなったり、うれしくなったりするのは
どんな場面かを調べて「自分の体のことや、
自分はどんな心を持っているのか」を考える。
また、イライラした気持ちの静め方を発表し合い、
自分に合ったストレス解消法を見つける。
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