山の絆 子ども応援/養護施設の5人岩登り


朝日新聞
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 事情があって家庭から学校に通えない小学生5人が
30日、諏訪市四賀で岩登りを体験した。
岡谷市の児童養護施設・つつじが丘学園の子どもたちだ。
「人との交わりを通じて社会性を持ってほしい」。
職員が企画し、山の仲間たちが子どものチャレンジを応援した。

 ヘルメットに安全ベルト、クライミングシューズ、
カラビナ、ザイル……。
見たこともない道具を身に着けた子どもたちは、
山男、山女に助けられ、岩肌に取り付いた。

 「足は、もっと右」「ほら、ひざの前に足を乗せる
スタンスがあるでしょう」。
大人たちの声を背に受け、
子どもたちは高さ約10メートルの垂直の壁を登り切った。
「よくやった」。晴れやかな顔の
子どもたちに盛んな拍手が送られた。

 昼食は、東御市の生涯学習講座「登山入門」の
受講生ら5人が、岩場の下で腕を振るった。
豚汁、卵焼き、ポテトサラダなど。松本さと子さん(65)は
「講座の先生から頼まれて、みんなでメニューを考えました。
おいしそうに食べてくれてよかった」と顔をほころばせた。

 岩登り体験のきっかけは、児童指導員の加藤博美さん(25)が
「子どもたちに野外活動をさせたい」と知人に相談したことだ。
山仲間のネットワークを通じて、
諏訪市で登山用具店を営む島田良さん(75)に
話が伝わり、実現した。

 「岩登りは危険では?」と、
当初は学園の職員会で反対する声もあった。
このため、島田さんらが職員らを事前に岩場で指導し、
岩登りの様子をビデオに撮って職員や保護者に見てもらい、
安全であることを納得してもらったという。

 島田さんは「どの子もいい顔だった。もっと冒険させたい。
チャレンジ精神を持ってほしい」と話した。(三浦亘)
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