いじめ 半年で昨年度の2倍超


NHK NEWS WEB
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ことし9月までの半年間に、全国の学校で確認された
いじめの件数は14万4000件余りと、
昨年度1年間の2倍を超えたことが
文部科学省の緊急調査で分かりました。
文部科学省は全国でいじめを巡る問題が相次ぐなか、
学校現場が小さなトラブルもいじめと捉え、
より細かく把握した結果と分析しています。

緊急調査は、大津市で男子中学生が自殺するなど
各地でいじめを巡る問題が相次いでいることを受けて、
文部科学省が全国の小中学校や高校などを対象に行いました。
それによりますと、ことし4月から9月下旬までの
およそ半年間に確認されたいじめは、
国公立と私立を合わせて、小学校が8万8132件、
中学校が4万2751件、高校が1万2574件、
特別支援学校が597件で、合わせて14万4054件でした。
これは、昨年度1年間に報告された7万231件の2倍を超え、
文部科学省が、いじめの定義を
「本人がいじめと感じた」場合と見直した
平成18年度のおよそ12万5000件も上回りました。
また、暴力をふるわれたり金品を要求されたりして、
子どもの命や体の安全を脅かしかねない
重大ないじめとされたのは、
公立の学校で合わせて278件報告されました。
このうち、中学校が170件と全体の60%を占め、
同級生から繰り返し暴言を受け、
思い悩んだ末に自殺未遂をしたケースや、
持ち物にいたずらをされ続け、
ストレスから突発性の難聴になったケースもあったということです。
今回の結果について文部科学省は、
全国でいじめを巡る問題が相次ぐなか、
学校現場の意識が高まり、小さなトラブルもいじめと捉えて、
より細かく把握したことなどが背景にあると分析していて、
今後さらに教員の研修や相談体制の
充実などを図ることにしています。

都道府県で大きな格差も

児童生徒1000人当たりのいじめの認知件数を
都道府県ごとにみますと、鹿児島県が最も多く
159.5件と昨年度1年間のおよそ80倍で、
奈良県が43件と昨年度の24倍、
宮城県が37.6件と昨年度の5.6倍となっています。
一方、最も少なかったのは福岡県で
1000人当たり1件、その次に少なかったのが
佐賀県で1.3件、また福島県、滋賀県、香川県が
それぞれ1.5件となっていて、
都道府県によって大きく差が出る結果となっています。
文部科学省は昭和60年度から
全国の小中学校などを対象にいじめの件数を調査していて、
これまでもいじめが原因とみられる
子どもの自殺が起きるたびに件数が変動してきました。
推移を見ますと、いじめの件数は
調査を始めた昭和60年度は15万5066件でしたが、
翌年の昭和61年度には
5万2610件と3分の1ほどに減りました。
その後も減少傾向は続き平成5年度には
2万1598件となりました。
こうしたなか、平成6年、愛知県で中学2年の男子生徒が
いじめが原因で自殺したことをきっかけに
いじめが社会問題となり、翌年の平成7年度の調査では
件数が6万96件に増えました。
件数はその後、再び減少し、
平成17年度は2万143件と調査を開始して以来、
最も少なくなりました。
しかし、平成17年から18年にかけて
北海道や福岡県でいじめが原因とみられる
子どもの自殺が相次いだことから、
文部科学省は平成18年度から、
「いじめはどこにでもある」ことを前提に、
「本人がいじめと感じたらいじめと認める」と
定義を大幅に見直しました。
この結果、平成18年度の件数は
12万4898件と急増したものの、
再度、減少に転じ、昨年度は7万231件となりました。
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