東日本大震災:子どもの甲状腺検査、初の説明会 不信抱く保護者「安全訴えは本末転倒」−−郡山 /福島


毎日jp
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 「なぜもっと早く説明会を開けなかったのか」
「どのくらい被ばくしたら危険なのか」。
4日に郡山市であった、子どもの甲状腺検査に関する初の説明会。
開始から1年後の開催に、
参加者からは改めて批判の声があがった。
一方で、内容は不信感を抱く保護者の求めとズレがあり
「不安は解消されなかった」との不満が残された。
県立医大は「今後の検査や説明会の課題にする」
と受け止めていた。【栗田慎一】

 「これくらいでよかったね、と世界の先生たちから言われました」。
説明会で登壇した同大の鈴木真一教授は、
2センチ超ののう胞が見つかった子どもの割合が
「0・5%」との結果に胸を張った。
「深刻なケースはない」との意味で、
不安解消が狙いとみられるが、
参加の保護者の多くが違和感を感じていた。

 0〜14歳の孫6人がいる、二本松市の
藤倉紀美子さん(63)もその一人。
「統計的な数字を安心材料にされても、
我が子の健康を心配する親にとってあまり意味がありません」
と語り、医学的見地からの説明と、
保護者が求めた説明とのズレを感じた。

 資料には、検査目的について
「甲状腺がんの増加がないことを
確認していく礎にする必要がある」と記されていた。
藤倉さんは「安全を訴えるための
検査のようで本末転倒だと感じる」と首をかしげた。

 質疑応答では、こうした不信感から来る発言が相次いだ。

 「他県の子の状況が分からないのに、
福島の子が安全だとなぜ分かるのか」
「次回検査が2年後では不安」
「20歳を超えた人は甲状腺がんの
リスクはないとの説明は本当か」
「福島で(9月に)甲状腺がんが
1人確認されたのに説明がないのはおかしい」

 矢面に立たされた鈴木教授だが、
質問がなくなるまで質疑応答を
打ち切らなかった姿勢は評価を受けていた。
同大県民健康管理センター広報部門長、
松井史郎特命教授は「とにかく早く開催しなければと
準備不足の面があった。次回からの課題にしたい」と語った。
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