絵本で防災教育…徳島の作家が製作


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 子どもたちの防災意識を高めようと、
徳島県美波町の絵本作家梅田俊作さん(70)が
防災絵本「よりたかく よりはやく」(36ページ)を完成させた。

 29日には妻・佳子さん(65)が県庁で朗読会を開いた。
阿南市や美波、牟岐、海陽町の幼稚園や保育所、小学校などに
計300部配布され、年明けには
徳島文理大が電子書籍化する予定。
 絵本は、3きょうだいが浜辺で犬の散歩中に、
釣り糸に絡まった海亀を助ける。
すると後日、海亀が海の異変を知らせにやってきて、
その後、地震が起こり、
一家は高台へと避難する――というあらすじ。

 ヘルメットがないときは、座布団やカバンで頭を守る、
平時の時から避難路に危険な箇所がないか確認をする、
津波警報が解除される前に家に戻らない――
などの避難の注意点が、水彩やクレヨン、鉛筆などで
柔らかく温かい絵で描かれ、
わかりやすい文章が添えられている。

 絵本の製作は、県南部総合県民局が5月に依頼。
梅田さんは「晩ご飯を食べ終えた瞬間、
ぐらっと地震が来るかもしれない。
できるだけ早く作らねば」と懸命に作業を進め、
完成まで1、2年かかるところを、わずか3か月で仕上げた。

 昭和南海地震で被害を受けた牟岐町や
海陽町に取材に行き、当時の体験者にも話を聞いた。
「学校で絵本を読んだ子どもたちが家に帰り、
おじいちゃんやおばあちゃんら大地震の体験者の話を聞き、
生きた話にしてもらえるように心掛けた」と話す。

 電子書籍化は徳島文理大の
篠原靖典教授(情報工学)と学生らが担当。
ナレーションや動きを加えたアニメーションにもするという。

 県庁での朗読会では佳子さんが、
徳島市津田小や徳島市立高の児童生徒ら
約100人を前に、完成した絵本を読んだ。
小学校教諭を志望する同高3年女性(18)は
「絵本だとわかりやすかった。
子どもたちには、いざとなったら自分のことを
最優先にして逃げなさい、ということを教えていきたい」と話した。

 梅田さんは「絵本ができて終わりじゃない。
各地に出歩いて読み語りをしたい」と意気込んでいる。
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