治水の偉業 児童が曲に


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 ◇備前出身・宇野圓三郎たたえ西鶴山小

 備前市出身で、明治時代に岡山の治水事業に尽力した
宇野圓三郎(えんざぶろう)(1834~1911年)の
偉業をたたえる合奏曲を、
同市立西鶴山小学校の4、5年生が作り、
17日に同校での学習発表会で地域住民らに披露する。
土砂崩れなどに遭った住民の苦しみと、
圓三郎の奮闘で治水事業が進んだ喜びを表現。
児童たちは「災害を減らした偉人のことを
多くの人に知ってほしい」と、熱心に練習を続けている。
(近藤真史)

 圓三郎は江戸末期、吉井川流域にあった
同市福田村の名主の家に誕生。
当時、県南の山は製塩や製鉄、陶器製造の燃料に使うまきとして
大量の木が切り出されて保水力を失い、
土砂崩れや洪水が下流の住民を苦しめていた。
圓三郎は47歳だった1882年(明治15年)、
県に植樹による砂防法を提案。
同年、県の土木担当となり、現在の総社、
高梁両市などで全国に先駆けて砂防工事を行った。

 西鶴山小は2003年、地域学習の一環として、
24ページからなる冊子
「郷土が生んだ治山・治水の先駆者 宇野圓三郎物語」を製作。
今回はそれに続く試みで、
4、5年生が今年4月から音楽の授業の中で、
圓三郎の半生を表現した曲作りに取り組んだ。

 4年生は、風が吹き荒れ洪水が村を襲うシーンを想像し、
「嵐」と題した激しい調子のメロディーを作り上げた。
5年生が作ったのは「希望」というタイトルで、
植林の成功と人々の喜びを表現した。

 編曲作業は、くらしき作陽大の乗松美代子教授と
4年生の赤嶺史織さん、藤田侑子さん、渡辺愛梨さん
(いずれも22歳)3人が協力。
「嵐」はティンパニなど打楽器などを、
「希望」は鉄琴などを使っている。

 合奏の練習は2学期から開始。
4年生16人が鍵盤ハーモニカなど12種類の楽器を、
5年生15人はリコーダー(縦笛)など13種類をそれぞれ演奏し、
赤嶺さんら学生3人による演奏指導を
受けるなどしながら、音が調和するよう練習を重ねている。

 オルガン担当の4年難波愛莉香さん(10)は
「嵐の感じを出せるようになった。
本番では、当時の人々の思いをうまく伝えられるように
演奏したい」と張り切っている。
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