福島の保育園児に遠足を 貸し切りバス代支援へ


YOMIURI ONLINE
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 都民間保育園協会・青年委員会の
「福島県の子ども達支援プロジェクトチーム」が
12日、保護者や保育士らから募った義援金約900万円を、
福島県保育協議会に届ける。
福島第一原発事故の影響で外で遊ぶことがままならない
子どもたちに貸し切りバスで遠足に出かけてもらい、
笑顔の花を咲かせてほしいと願い、
100台分(420万円)を目標に募ったところ、
2倍以上の善意が集まった。

 同協会には、都内の認可保育園800園が加盟しており、
プロジェクトチームは4月に結成された。
きっかけは、チームリーダーの宮林佳子さん(45)
(日の出町のさくらぎ保育園副園長)が、
保育士研修の講師として福島県を訪れた際に目にした、
保育現場の厳しい現実だった。

 放射性物質が体に与える影響を心配し、
外遊び時間が30分以内に制限された幼い園児たち。
福島市のある保育所では、
ストレスがたまってケンカに発展する場面を見た。
宮林さんは「外遊びは子どもの成長過程で非常に大切なこと。
何とか伸び伸びと遊べる機会を与えてあげたい」と思った。

 福島県の貸し切りバスの最低料金は1台4万2000円。
宮林さんたちは、100台分のバス代として
420万円を目標に掲げた。
協会加盟の保育園関係者に協力を依頼した。
支援の輪は保育園関係者のほか、
それぞれの地域の住民にも広がり、
寄せられた善意は目標額を大きく上回る
896万4866円に達した。
貸し切りバス約213台分になる計算だ。

 その間、交流を続ける福島県内の保育士からは、
「生まれてから一度も園外の散歩に行ったことのない子どもたち。
本当ならもっと体を使って遊べるのに……」(0歳児クラス)、
「除染した園庭に半年ぶりに出た子どもの中には、
滑り台の階段を上れなくなった子もいる」(3歳児クラス)
といった声が寄せられていた。

 義援金を集めに奔走したプロジェクトチームのメンバーは
「安全な所で思いっきり遊んでほしい。
同じ保育士として、今できる最大のことを
子どもたちにしてあげたい。
今後も、震災を風化させないように支援していく」と話している。
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