不登校相談者の3割…子どものネット依存が深刻化

YOMIURI ONLINE
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 子どもが心身に悪影響を及ぼすほど
オンラインゲームにのめり込む問題が深刻化している。

 不登校の相談に応じる
社団法人「不登校支援センター」(本部・名古屋市中村区)では、
こうした「インターネット依存」に関する相談が
全体の約3割を占め、さらに増加傾向にあるという。
専門家は「早めに対策を取ることが重要」と警告している。

 「ゲームの中では、色んな人が自分に頼り、構ってくれる。
生きているという実感がある」。
同センターの面談で、愛知県内の私立高校1年の男子生徒は、
学校に通わなくなるまでオンラインゲームに
没頭するようになった理由をそう語ったという。

 センターによると、生徒は中学3年だった昨年6月、
性格の合わない同級生がいるとの理由で
学校を休みがちになった。
やがてゲームにはまり、食事や風呂、トイレ以外の時間は、
自室にこもってパソコンの前に座り続けた。
約58キロだった体重は3か月で70キロ近くまで増え、
上位だった成績は大きく落ち込んだという。

 昨年9月に両親に連れられてセンターを訪れ、
完全に登校できるようになったのは、
ゲームから切り離すための面談を
13回経た後の3学期からだった。
センターの瀬尾大理事長は
「一度、ネット依存となり、不登校となった生徒は、
再び依存状態に戻りやすい。その後のフォローも大切だ」と話し、
生徒が高校に通う今も面談は続けている。

 センターが統計を取り始めた
昨年4月から今年9月までで、
不登校の児童・生徒に関する相談者は2591人。
そのうち「オンラインゲーム依存」に分類されるのは824人に上る。
瀬尾理事長は「パソコンと同様の性能を持った
スマートフォンの普及で、
常時オンラインゲームができる環境になり、
『依存者』はもっと増えるのでは」と予想する。

 子どものネット事情に詳しい藤川大祐・千葉大教授は
「一部のオンラインゲームには終わりがないため、
長時間やり続ける傾向にある。
親は遊ぶ時間を区切るなどルールを作り、
のめり込ませないように注意すべきだ」と話している。

オンラインゲーム

 パソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)などを使って、
インターネットを通じ、多人数が同時に遊べるゲーム。
ゲーム上の仮想社会などで他の利用者と会話したり、
一緒に敵と戦ったりすることができる。
熱中しすぎて学校や社会生活に支障が出る
「ネトゲ廃人」と呼ばれる人たちもいる。
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