子供服の安全基準 国が検討会設置 事故防止「国際規格」目指す


msn産経ニュース
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 衣服が遊具などにひっかかる事故を防ぐため、
子供服に安全基準を設けようと、国が検討会を設置した。
国際的に通用する基準づくりを念頭に、
子供服の安全性に目を向ける動きが広がっている。(戸谷真美)

77%が事故経験

 「服の裾のひもが電車のドアに挟まりそうになり、
『危ないな』と思うことがよくある」。
東京都武蔵野市に住む2歳と9カ月の男児の母(35)はこう話す。
走れるようになった長男は、
何かに興味を持つとすぐ駆け寄っていく。
「落ち着かない子でけがもしょっちゅう。
服のせいだと思ったことはないが、
危ないシーンはたくさんある」

 都が平成18年に保護者約1100人を対象に行った調査では、
ひやりとした経験も含め、事故の経験がある人は77%。
具体的には、「靴下やタイツでフローリングの床などで
滑って転んだ」が68%、
「上着のファスナーで顔や首を引っかいた、
または皮膚を挟んだ」が34%で続いた。

 日本小児科学会の報告では今年3月、
4歳の女児のパーカーのフードが
玄関ドアの取っ手に引っかかり、窒息事故が発生。
女児は回復したが、同学会は
「衣服の構造を変えることが必要だ」と指摘している。

 経済産業省によると、米国や英国、EU(欧州連合)では
既に子供服の安全性に基準がある。
国内では、メーカーなどの業界団体による
自主的なガイドラインはあるが、統一された公的な規格はない。

 同省は10月、アパレルや流通など関連業者や
製品安全や規格の専門家、
消費者団体の代表などによる検討会を設置。
海外規格の調査とともに、
国内の実情に合わせた規格づくりを目指す。
将来的に国際標準としても通用する
日本工業規格(JIS)の策定も視野に入れている。

 統一規格によってデザイン面で制約が出る可能性もある。
だが、アパレル出身の委員の一人は
「海外、特にアジア市場は無視できない。
国際的な基準ができる方が取り組みやすいのではないか」
と話す。

独自の基準を運用

 独自の基準を設け、
運用している専門店やメーカーも多い。

 子供用品販売大手の赤ちゃん本舗(大阪市中央区)は
19年、衣料品に関する安全基準を策定。
フードの引きひもは付けない
▽ウエスト調節や上着の裾のひもは内側
▽食品に類似したボタンなどは避ける-といった基準を、
製造や仕入れ、店頭でチェック。
同社は「デザインと安全のせめぎ合いはある。
だが、気づかれることは少なくても
子供服では安全面の配慮は欠かせない」。

 検討会では、消費者に衣服による
事故の危険があることを周知すべきだという
意見も出されており、消費者にも安全性を
考慮した選択が求められていると言えそうだ。
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