【千葉県】除染 学校など子どもの施設は? 「事故前の水準」


東京新聞
------------------------------------------------
 福島第一原発事故を受け、
除染が本格化してから約一年が経過した。
放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、
除染の重点調査地域に指定された
松戸、野田、柏、流山、我孫子、鎌ケ谷、
佐倉、印西、白井の九市では今も、除染作業は途上にある。
現状を二回に分けてまとめた。


 Q 除染はどのくらい進んだ?


 A 各市が「子どもの生活空間を優先する」とし、
小中学校や幼稚園、保育園などの
除染を先行して進めてきた。
これら子ども関連の教育施設の除染は、
柏市の一部中学を除き、子どもが長い時間を過ごす
校庭など主な場所は終わった。


 Q 義務教育までの施設の除染は一巡したということだね。


 A そうだね。ただ、校舎裏の隅など部分的にやり残しがあり、
各市は引き続き対策を続けている。
それ以外の例えば校庭は土や芝生をはぎ取ったり、
雨どいや側溝など雨水が流れたり、
土がたまりやすい部分は清掃した。
除去した土は持っていく先がなく、
校庭の片隅に埋めて保管しているけどね。
放射線の影響がないよう、土で覆うなどの対策を取っている。


 Q 放射線量はどれくらい下がったのだろう。


 A 例えば、柏市内で校内の放射線量の
平均が除染前に一番高かったある小学校では、
毎時〇・三三九マイクロシーベルト(地上五センチ)
だった数値が、除染後は
〇・〇八九マイクロシーベルト(同)へと劇的に低下した。
各市の測定状況を見ると、
幼稚園や小学校ではおおむね
〇・一マイクロシーベルト台以下に下がったとみていいだろう。


 Q 国の除染目標の基準は〇・二三マイクロシーベルト
以下だったはず。


 A 地上一メートルで測った数値の基準だね。
各市とも幼稚園や小学校は、より厳しい
地上五~五十センチで〇・二三マイクロシーベルト以下にする
目標を立てていた。
この目標も、子どもが校・園内で普段生活する場所では
クリアされたといっていい。
柏市の担当者は「子どもの生活空間では、
事故前の水準に戻った」としている。
保護者にも安心感が広がったのか、
学校での除染に対する問い合わせは、
ほとんどなくなったそうだ。


 Q 他の除染はどうなっている?


 A 除染対象は教育施設のほかにも、
公園や道路などの公共施設、
住宅や農地などの私有地がある。
進み具合は市域の広さや汚染状況といった
事情によってまちまちだけれど、
各市は「除染計画」に従って順次進めていく予定だ。
------------------------------------------------
保育士新卒 保育士転職