【防災グルメ】子ども喜ぶ乾パンに


朝日新聞
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◇◆グラ乾◆◇

 備蓄食品の定番、乾パンはかつて、
味がなくて硬いだけの食品でした。
最近はずいぶん品質が向上し、
おいしくて食べやすくなりました。
それでも、歯の悪いお年寄りや
小さな子どもたちがそのまま食べるのは、
なかなか難しいものです。

 避難生活が長引くと、すべての人が
「食べたいものを食べられない」という「飢え」を必ず経験します。
その飢えに一番弱いのが、子どもたちです。

 そこで、被災直後から少し時間が経った段階を想定し、
子どもには不向きな乾パンをリフォームして、
子どもが大喜びする料理に大変身させたいと思います。
レシピでは子どもが好きなサーモンを使っていますが、
手に入らない場合はベーコンやハム、サラミなど
日持ちする食材を使ってもかまいません。

 大きな器があれば、たくさん作って取り分けながら食べると、
おいしさも楽しさも倍増すると思います。
子どもが喜んで食べる姿を見れば、
大人もほほ笑みながら食べられますね。
みんなが笑顔になれる料理です。


【材料(4人分)】
ポテトサラダ 300g
マヨネーズ 大さじ2
サーモン 2切れ
生クリーム 100cc
ピザ用溶けるチーズ 適量
乾パン 1缶


【作り方】
1.乾パンをポリ袋に入れ、麺棒などでたたいて粉々にする。
2.砕いた乾パン、ポテトサラダ、生クリーム、
マヨネーズ、サーモンを混ぜ合わせて生地を作る。
3.耐熱容器の内側にサラダオイルを塗ってから
生地を流し込み、上からピザ用の溶けるチーズを散らす。
4.180℃で温めておいたオーブンで15~18分焼いたらできあがり。
※できあがりは非常に熱いので、十分注意してください。

■「簡単」がポイント

 被災後の生活における食の問題点は、
ワンパターンの配給食が毎日続くこと。
初めて体験する乾パンや冷えたおにぎり、
菓子パンなど配給食への予備知識や経験がないために
不満が募り、栄養バランスが崩れて
食事がストレスになりがちです。

 これを防ぐために、いざという時に対応できる
配給食や身近な食材を使った
リフォーム料理を提案させていただきます。

 一番大切なポイントは、「簡単に作れて面倒くさくない」
「これは楽しそう、これなら作ってみたい」
と感じていただくことです。(ビストロ・シャテール 桜井雄司シェフ)

◎桜井雄司さん 1950年、東京都生まれ。
大学卒業後に料理の道に入り、東京・門前仲町に
85年、1日2組限定の仏料理店「ビストロ・シャテール」を開く。
阪神大震災で現地の被災者支援に取り組み、
「防災グルメ」を発案。
新潟県中越地震でもボランティアで防災グルメを振る舞った。
2007年から毎年、津市民防災大学の講師として
「防災グルメ講座」を開く。
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