ユニ・チャーム、病院共同で小児喘息研究 子どもの就寝時マスク装着によって、喘息の悪化を5割低減!


SankeiBiz
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ユニ・チャーム株式会社(本社:東京都港区、社長:高原 豪久)は、
小児科のアレルギー専門医
(てらだアレルギーこどもクリニック・国立病院機構三重病院・
徳田ファミリークリニック・監修:大阪歯科大学)と協力して、
外来通院中の喘息の子どもを対象に
就寝時にマスクを装着する効果について研究を行いました。
この結果、「就寝時にマスクを装着することで、
子どもの喘息症状と喘息による治療などを5割低減させる」
ことを実証いたしました。
この研究成果を、2012年11月30日の
第62回日本アレルギー学会秋季学術大会にて発表しました。

*図1 <マスク着用有無による、喘息発症率の違い>
http://www.atpress.ne.jp/releases/32315/1_1.jpg
(ACD:asthma control day 喘息無症状日)

*マスクを付けて就寝する子どもの様子のイメージ
http://www.atpress.ne.jp/releases/32315/2_2.jpg

■研究の背景
近年、日本の子どもの喘息は年間100万人いると想定されており
約5-10%で増加傾向にあります。
特に夜間の喘息症状によって睡眠を妨げられることは、
子どもの生活の質を低下させることが懸念されております。
喘息の原因は様々考えられておりますが、
中でも空気中のダニ・ハウスダストなどの
アレルゲンの増加が要因の一つと言われています。
マスク装着は、ハウスダストを気道へ吸引することを
ブロックできる有効な手段だと考えられますが、
今まで検証は殆ど行われていませんでした。
そこで、この度治療中の小児喘息患者の協力を得て、
子供用マスクを販売する企業としての立場から、
“子ども達の喘息症状を少しでも減らし
安心して快適な生活を送って欲しい”という思いのもと、
寺田 明彦先生(てらだアレルギーこどもクリニック)、
徳田 玲子先生(徳田ファミリークリニック)、
長尾 みづほ先生(国立病院機構三重病院アレルギー科)、
久保 伸夫先生(大阪歯科大学耳鼻咽喉科)、
藤澤 隆夫先生(国立病院機構三重病院臨床研究部)と共同で、
子どもの就寝時におけるマスク装着によって、
喘息症状の低減ができるかという研究を行いました。

■研究の概要
対象:6歳~15歳の男女 31名
期間:春2011年4月~7月、秋2011年9月~12月
方法:独立行政法人国立病院機構 三重病院、
てらだアレルギーこどもクリニック、
徳田ファミリークリニックに通院患者で、
保護者の協力を得られた子どもに、
マスク装着せず就寝した日とマスクを装着して就寝した日
についてピークフローの測定と症状・治療内容を
それぞれ観察した喘息日記と通院時に
喘息と鼻炎症状についてのアンケートを行う方法で調査し、
1.喘鳴がない、2.発作治療薬(β2刺激薬)の使用がない、
3.早朝の咳がない、
4.夜間の喘息症状(喘鳴、咳、それらによる夜間覚醒)がない、
5.喘息による救急受診がない、
6.喘息悪化による長期管理薬の追加・増量がない、
これら6項目すべてが満たされた日を
「喘息がコントロールされた日(asthma control day:ACD)」
として比較検討した。

■研究の結果
有効回答を得られた31名を調べたところ、
期間中マスク装着をせず就寝した日数960日中、
喘息がコントロールされた日数(ACD)が788日、
コントロール不良が172日で全体の18.0%であったのに対し、
期間中マスク装着をして就寝した日数1,000日中、
喘息がコントロールされた日数(ACD)が907日、
コントロール不良が93日で全体の8.9%という結果でした。
つまり、小児喘息において夜間のマスク装着により、
コントロール不良発生率が18.0%→8.9%と
約5割低減されることがわかりました(図1)。
その他、起床時及び就寝時の
ピークフロー値:PFER(十分息を吸い込んで
思い切り息を吐き出したときの最大の息の速さ)は、
マスク装着有りの方が無しよりも高いこともわかりました(図2)。
アンケート調査から、実際に検証に
ご協力いただいた子ども達の約7割が、
『マスクをつけていて良かった』と回答し、
「すきまができないこと」「息が楽であることがよかった」など
良い感想をいただきました。

■結論
就寝時におけるマスク装着は、
喘息症状を軽減する有効な手段であり、
効果があることが実証されたと考えます。
この理由として、(1)鼻やのどから進入する
アレルゲンをブロックすること、
(2)呼気を加温加湿することで鼻腔内の
繊毛運動を活発にして入った
アレルゲン物質を排出する効果などが考えられます。

*図2 <マスク着用有無による、ピークフロー値(PEF)の違い>
http://www.atpress.ne.jp/releases/32315/3_3.jpg

■学会発表
今回の研究成果を、第62回日本小児アレルギー学会
(日時:11月30日、場所:大阪国際会議場)にて発表しました。

【てらだアレルギーこどもクリニック 寺田 明彦先生のコメント】
「小児喘息の患者さんは、夜間症状で
苦しんでおられるケースが多くQOLを著しく障害しています。
また、ご本人のみならず、
ご家族の夜間の睡眠をも妨げています。
今回、スキマを作らない密着性のある
子供用サイズのマスク装着で、
喘息の改善がみられたことは、
薬の治療を補う手段として手軽で
効果的な対処法だと思います。
実際、夜間の症状がある患者さんには、
薬物療法以外にマスクを就寝時に
装着することをお勧めしています。」

*寺田 明彦先生
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