石井が行く:保育学科 “夢”と処遇改善を /岡山


毎日jp
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 保育士や幼稚園教諭を志す
中国短大保育学科2年の学生約70人が
子育てを取り巻く家庭環境を学んでいた。
「家庭支援論」の講義で、松井圭三准教授(51)が
「保育士に就職が決まった人は」と
呼びかけると約半数が手を挙げた。
挙手しなかった1人は
「幼稚園教諭として働きたかったんですが、
岡山市内に就職先がほとんどなかった」と不満を漏らした。
保育現場の求職は少子化で減っているのだという。

 しかも、就職したのにすぐ辞める卒業生も少なくない。
松井准教授は「『業務内容が求人と違う』
『残業手当が出ないんです』という相談がメールで届くんです」
と悲しそうに話す。
県内の保育士や幼稚園教諭の月給は14万〜16万円程度。
昇給は少なく、学生時代に借りた
奨学金の返済などが生活を圧迫する。
「『教え子の就職を』『労働条件の悪い職場に就職させていいのか』。
その二つの間にジレンマがある」。
松井准教授は、学生の将来を案じて苦悩する。

 岡山面「きび談語」で、
「政治に対する率直な思いを」と呼び掛けたところ、メールが届いた。
「保育の現状を話したい」。松井准教授からだった。
学生の苦境を伝えたいと考えたのだという。

 「もっと学生にとって夢のある仕事に」と
現場の処遇改善を切望している。
では、卒業生に対し、どのようにアドバイスするのかを尋ねると、
「1年間は続けなさい、と言うしかない」。
労働環境を我慢しながら、
仕事のやりがいを見つけてほしいと願っているそうだ。
【石井尚】
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