園乳児、園幼児、小学校低学年でインフルエンザワクチンの有効性を認める


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 2011/12シーズンにおけるインフルエンザワクチンの
効果を検討したところ、園乳児組、園幼児組、小学校低学年で
インフルエンザワクチンの有効性が認められた。
特に園乳児組では有効性が高く、
未接種群のインフルエンザ罹患率が36.4%だったのに対し、
園乳児組の1回接種群が22.2%、2回接種群が15.7%だった。
三重県亀山市での検討結果で、
落合小児科医院の落合仁氏らが11月17、18日に
横浜で開催された第16回日本ワクチン学会学術集会で報告した。

 発表によると、亀山市では2008年4月から、
1歳から就学前までの乳幼児に対して、
インフルエンザおよび水痘、ムンプスのワクチン接種費用を
助成する事業を実施している。
落合氏らはこの事業の継続が市民にとって
有意義であることを確認するため、
2011/12シーズンにおける乳幼児における
インフルエンザワクチンの有効性について検討した。

 対象は亀山市内の13保育園に通院している
園児の保護者1437人。
園児およびその兄弟姉妹のインフルエンザワクチン接種歴と
インフルエンザ流行期間における
インフルエンザへの罹患についてアンケート調査を行った。
今回の調査期間に流行していたのはAH3型だった。

 調査の結果、1346人から回答があった。
回収率は93.7%だった。
兄弟姉妹を含め、インフルエンザワクチンの接種者は、
2回接種が1620人、1回接種が164人、未接種が759人だった。

 ワクチン接種率は、未就園(0.6~1.4歳)で61.2%、
園乳児組(1.5~2歳)で75.2%、園幼児組(3~5歳)で73.5%、
小学校低学年(小1~3)で69.7%、
小学校高学年で61.4%だった。

 調査期間中にインフルエンザに罹患した乳幼児は、
未就園の未接種群で116人中22人、
2回接種群で178人中26人だった。
同様に園の乳幼児組では、未接種群で99人中36人、
2回接種群で813人中170人、
小学校低学年では、未接種群で80人中36人、
2回接種群で286人中84人、小学校高学年では、
未接種群で29人中17人、2回接種群で128人中54人だった。

 ワクチン未接種群の2回接種群に対する
インエンザ罹患リスク比(相対危険度:RR)と
有効率を求めたところ、
未就園が1.298(有効率23.0%)、園乳児組が2.314(56.8%)、
園幼児組が1.289(22.4%)、小学校低学年が1.677(40.4%)、
小学校高学年が1.716(41.7%)だった。
このうち園乳児組、園幼児組、小学校低学年において、
統計的に有意な効果が認められた。

 これらの結果から演者らは、
「インフルエンザワクチンは園乳児組以上の年齢で
効果を認めた」と結論。
その上で「今後もワクチン接種費用助成事業を
継続することで、地域でのインフルエンザ流行規模を抑制し、
ひいては市民の安全安心に寄与すると考えられる」とまとめた。
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