学びやぎゅうぎゅう 被災者移住で児童3割増 名取・愛島小


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 宮城県名取市の内陸部にある愛島小の児童数が、
東日本大震災前に比べ約3割も増えた。
津波に被災した沿岸部の世帯が、
学区内の新興住宅団地に転居したのが主因だ。
市教委はプレハブ校舎を2棟建てたものの教室は足りず、
3棟目を計画する。
年度途中にクラスを増やす措置も余儀なくされ、
やりくりに苦心している。

 学区内には「愛の杜」「愛島郷」「愛島台」などの
住宅団地が造成され、児童数は増加傾向にあったが、
震災後に拍車が掛かった。
昨年3月初めの439人からことし12月初めには564人に増え、
来年4月には625人になる見込みだ。
 転校生が毎月のように編入し、
学級数は震災前の16から21に増えた。
5年生は10月、2クラスから3クラスになった。
 桜井覚教頭は「年度途中で子どもたちの
人間関係を崩すのは避けたかったが、
一人一人と向き合える学級を維持するためには
致し方なかった」と話す。
 児童数の増加を受け、市教委は昨年、
菜園だった場所に仮設校舎2棟を建てた。
来年3月までに教職員の駐車場に3棟目を設ける。
「増加傾向はさらに続く」と見込み、
校舎増築の設計費を盛り込んだ議案を
市議会12月定例会に提出、可決された。
 児童たちの学校生活にも影響が出ている。
校庭が手狭になり、学校は休み時間のサッカーを禁止した。
桜井教頭は「校庭で大人数が
サッカーをすれば、必ずけが人が出る」と説明する。
 転校生には、被災して移り住んだ児童が少なくない。
「愛島東部ニュータウン・愛の杜」の
宅地販売を手掛ける宮城県住宅供給公社によると、
震災前に年間20区画台で推移した分譲数は
昨年度、平均15パーセントの値下げもあり
116区画が売れた。このうち被災者は7割に迫るという。
 同社販売課は「南相馬市から気仙沼市まで
幅広い地域から申し込みがある。
交通の利便性や地価の手頃感に加え、
女川、福島の両原発から80キロ以上
離れている立地条件も考慮されているようだ」と分析する。
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