子どものリフト代や食事無料… スキーブームもう一度


東京新聞
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 この冬、スキー旅行の予約の出足が好調だ。
バブル期にスキーブームを体験し
子育て真っ最中の三十~四十代に
「子連れでゲレンデに戻ってきてもらおう」と、
スキー場は子どものリフト無料化などの誘客策を強化。
ホテル業界もカップル向けの部屋を思い切って縮小し、
家族で泊まれる広い部屋を増やす改修を進めている。
 (伊東浩一)

 ブームの火付け役となった映画
「私をスキーに連れてって」(一九八七年公開)。
劇中歌「恋人がサンタクロース」を歌う
松任谷由実さんが毎冬、コンサートを開く
苗場スキー場(新潟県)と苗場プリンスホテルが
今年、大胆な改革に踏み切った。

 二十二年ぶりとなる部屋の大規模改装に着手。
カップルの利用を想定した二人部屋を三十六室減らし、
家族用四人部屋を十八室増やしたのだ。

 一昨年には屋内プールを子ども用室内スキー場に転換。
カップルの憧れの的だった「苗場」が
家族向け行楽地の色彩を強めている。
プリンスホテルの担当者は
「三十~四十代は子育てに忙しく、
スキー場から離れているが『またやりたい』
『子どもにさせたい』という願望はあるはず。
家族で来やすい環境を整えれば、足を向けてくれる」と
その狙いを説明する。

 プリンスホテルは苗場に加え富良野(北海道)、
軽井沢(長野県)など系列の九スキー場で、
この冬から一日二千~三千二百円だった
小学生以下のリフト代も無料にした。

 他のスキー場も家族層誘客を強化する。
六カ所のスキー場を経営する鈴木商会(東京)も
小学生以下のリフトを二〇一〇年に無料化。
ルスツリゾート(北海道)は三歳以下の宿泊を、
星野リゾートトマム(同)は小学生未満の
ビュッフェでの食事を無料にした。

 この冬は多くのスキー場が積雪に恵まれ、
予定通りの日程で開業できたことも追い風だ。
JTBでは十二日現在、スキー・スノーボード旅行の予約が
長野方面で前年同期比17%増と好調。
東日本大震災からの復旧が進む
東北・新潟方面も8%増と伸びている。
楽天トラベルでも全国のスキー場周辺の宿の予約が
十六日現在、34・7%増と急伸した。

 日本生産性本部の「レジャー白書」によると
スキー人口は九三年の千八百六十万人をピークに
下り坂で昨年は六百三十万人だった。
三十代以下に人気のスノーボード人口は減少率が小さい。
全日本スキー旅行業協会の岩井裕士事務局長は
「三、四十代などを呼び戻すことで
スキー人口が上向いてほしい。
子ども連れで来てくれれば将来のスキーヤー育成にも
つながる」と話す。
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