日本の子ども 理数得点が上昇傾向


NHK NEWS WEB
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4年に一度行われる国際的な学力調査で、
日本の子どもたちの算数・数学と理科の平均得点は
小中学校ともに上昇傾向にあり、
文部科学省は、授業に実験や観察を多く取り入れるなど
学校が指導を改善したためではないかと分析しています。

「TIMSS」と呼ばれるこの学力調査は、
オランダに本部がある国際学会が4年に一度行っているもので、
去年は、世界60か国・地域のおよそ50万人が対象となり、
日本からは小学4年生と中学2年生の合わせて
8800人が参加しました。
その結果、日本の平均得点は、小学校では、
算数が前回・平成19年より17点上がって
585点で50か国中5位。
理科が11点上がって559点で50か国中4位でした。
また中学校では、数学が前回と同じ570点で42か国中5位。
理科が4点上がって558点で42か国中4位で、
小中学校ともに平均の得点が上昇傾向にあります。
参加国の順位を見ますと、小学校、中学校とも、
シンガポール、韓国、香港や台湾が上位を占め、
日本はそれに次ぐ結果となっています。
一方、算数・数学や理科に対する意識を尋ねると、
「勉強は楽しい」と答えた小中学生は、
ともに前回を上回りましたが、
「数学や理科の知識を使うことができる職業につきたい」
と答えた中学生は2割ほどにとどまり、
国際平均より30ポイント余り低くなっています。
子どもたちの理数の学力は、
8年前のこの調査で低下傾向が明らかになり、
文部科学省が「ゆとり教育」を転換して
授業時間や学習内容を増やすきっかけとなりました。
各学校は、授業に実験や観察を多く取り入れ、
子どもたちが算数・数学や理科を
日常生活と結び付けて考えるよう改善していて、
文部科学省はこうした取り組みの成果が出てきているとして、
さらに指導の充実を図ることにしています。

社会全体で理数教育の重要性を考えて

調査の結果について、理数教育に詳しい
静岡大学大学院の長崎栄三教授は
「今回の結果を見ると、学力の低い層の
子どもの得点が上昇しており、
全体としていい方向に向かっているのではないか」
と話しています。
そのうえで、子どもたちの学習意欲を高める方策として、
「子どもたちにグループで話し合いながら
実験や観察を行わせるなど、
具体的な活動を伴う授業を進めるとともに、
算数・数学や理科を学んだら
どんな職業に就くことができるのか、
きちんと教科書で示すことが大切だ。
さらに、学校だけでなく社会全体で理数教育の
重要性を考え、子どもたちに伝えることも欠かせない」
と指摘しています。
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