活気取り戻す「旗印」に、相原二本松商店街に彩る児童の言葉/神奈川


カナロコ
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 相模原市緑区の相原二本松商店街の通りを
120枚の黄色いフラッグが彩っている。
近くの小学校の児童たちが思い思いの言葉を書き入れた。
長引く不況、近隣の大型商業施設…。
「苦境を押しとどめ、活気を取り戻したい」。
店主らのそんな願いがこもった「旗印」でもある。

 フラッグは縦60センチ、横45センチの縦長の木綿布。
今年1月に続く2回目の取り組みで、
今月7日から街路灯にくくりつけられた。
「獣医師になりたい」「ありがとう」「チームワーク」…。
当麻田、二本松、相原の3小学校の児童が書いた言葉は、
夢や願いを託したものも多く、
通りを歩く人を明るい気持ちにさせる。

 商店街代表で「ウエハラ時計眼鏡宝飾店」を営む
上原泰久さん(65)は店そばのフラッグに記された
「希」の文字を見上げた。
「今回で2回目。人の波が増えたとまでは感じません。
でも『いいね』と言ってくれるお客は増えました」

 子どもの作品を掲げれば家族や知人が見に訪れる。
そして商店街で買い物もしてもらえれば-。
11の自治会と地域活性化を図る委員会も組織し、
練ったアイデアだった。
前回は布の色が白で目立たず、
今回は黄色に変えて際立たせた。

 1970年代は周辺地区からも多くの人が訪れにぎわった。
が、近年は橋本地区にできた数々の大型商業施設に客を奪われ、
商店街はその「通り道」になった。

 上原さんは言う。「商店と客のつながりが希薄になった。
地域とのつながりを再び生み出す。
フラッグはそのきっかけなのです」

 2回目の取り組みに、小さな変化を感じ取っている人も。
「トミーベーカリー」の富所清枝さん(71)だ。
「カメラを向けている人も見かけたし、
店に来たお客と『上手に書けているね』
って話すこともある」という。

 活気をどう回復させるか、商店主らの挑戦は続く。
来年3月には店々を回ってもらうラリーイベントも検討している。
「フラッグもイベントも人々に振り向いてもらう第一歩。
品ぞろえや接客といった面で、
今まで以上の努力も不可欠です」。
言い聞かせるように上原さんは話した。
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