小学生が放課後に過ごす放課後児童クラブ(学童保育)を国が充実させると聞くけど、どう変わるの?


yomiDr
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設備や運営 統一基準に

 共働きなどで親が日中いない家庭(留守家庭)の
小学生を、放課後に預かる場が学童保育だ。
1997年に児童福祉法に位置づけられ、
全国に2万1085か所(昨年5月)ある。
85万1949人の児童が登録している。

 学童保育には、通常、学校を終えた児童がやってきて、
おやつを食べたり宿題をしたり、
好きなことをしながら保護者のお迎えを待つ。

 公的補助があるため、
利用料は多くの学童保育で月額1万円以下。
企業などが運営し、利用料は高いが
バスの送迎や夕食提供などを行う所もある。
文部科学省は、放課後の教室で
地域のボランティアらが遊びを指導する
「放課後子ども教室」を推進しており、
一体で運営している所もある。

 この15年で総数も登録児童数も2倍以上に増えた。
だが、保育所と同じく都市部では不足しており、
市町村が把握しているだけでも「待機児童」が
7500人以上いる。

 学童保育の整備は市町村の努力義務なので、
事業を行っていない市町村も約1割ある。
条件の合う学童保育がなく、
子どもの小学校進学時に仕事をやめざるをえない親もいて、
「小1の壁」と呼ばれている。

 実は、施設や職員配置について、
厚生労働省は最低基準を定めていない。
同省は2007年に、
〈1〉原則小学1~3年生が対象
〈2〉定員は最大70人まで
〈3〉生活スペースは児童1人あたり1・65平方メートル以上
――とする「ガイドライン」を設けた。
ただ、強制力はなく、守っていない学童保育もある。

 近年、小学生が登下校時に不審者から
被害を受ける事件が増え、
放課後や長期休暇に安全に過ごせる場として、
学童保育の必要性が認識されるようになった。
このため、昨年8月に成立した
子ども・子育て支援関連3法では、
消費税財源を投入し、学童保育の利用者増や
職員体制の強化を図っていくことが決まった。

 15年度から本格施行となる3法により、
対象は小学1~6年生に広がり、
設備や運営などの統一基準も制定される。
市町村は、住民のニーズを調査して、
必要な定員分を計画的に整備していく責任が課される。
国や市町村の取り組みを、見守っていく必要がありそうだ。
(樋口郁子)
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