「子育て支援」気負わず


yomiDr
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生活の張り 無理は禁物

 子育て支援ボランティアとして、
シニア世代が活躍している。
乳幼児と接することが生活の張りや楽しみになるという。
専門家は「無理のない範囲で、
気負わずに挑戦してみて」と勧める。

 大阪府高槻市の田中千鶴子さん(68)は
2009年から、子育て家庭を支援するボランティアをしている。
料理や掃除などの家事援助、子どもの遊び相手などだ。
「子どもの安全を守りながら、
自分も無理をしないことを心がけています」

 田中さんは、シニアのボランティア組織、
NPO法人ニッポン・アクティブライフ・クラブの
大阪府高槻市・島本町地区の代表を務める。
メンバーのうち50~70歳代の十数人が子育て支援に携わる。
利用する母親たちは実家が遠い場合が多く、
「体調が悪いときに、すぐに来てもらえて本当に助かった」
「近所なので普段から声をかけてもらえて心強い」と喜ぶ。

 田中さんは「支援した母親から感謝され、
やりがいを感じています。
子どもたちの成長が励みになります」と
ボランティア活動を勧める。

 子育て支援をするなら、
約670の自治体が取り組んでいる
「ファミリー・サポート・センター」の活動に参加する方法がある。
子どもを預かったり、保育園などへの送迎をしたりする。
実際、多くのシニア世代が活躍している。

 「新宿区ファミリー・サポート・センター」(東京)の
山口千代子さんは、「安全に子どもを世話するために、
自身の体力や体調の見極めが重要。
シニアの場合は特に、無理をしないこと」と話す。
短い時間から始めて少しずつ回数や時間を増やしていく。
またボランティアに登録したあとでも、
体調が優れないときなど、場合によっては
断る勇気も必要だという。

 「シニアの良さは気持ちに余裕があること。
ゆっくり子どもに向き合えば、
その子にとっても貴重な時間となるはずです」と山口さん。

 子どもを預かるのは難しいという人には、
子どもと遊んだり、親の話に耳を傾けたりするボランティアがいい。
地元に、自治体や民間団体が運営する
「子育て広場」などと呼ばれる施設があれば、問い合わせてみる。
社会福祉協議会に相談するのもいい。

 子育て支援に詳しい日本福祉大教授の渡辺顕一郎さんは、
「難しく考えず、肩の力を抜いて挑戦してみて」と助言する。
子育て支援というと女性が中心となりがちだが、
シニア男性が昔よくやった遊びを紹介したりすると
子どもに喜ばれるそうだ。

 「子どもが社会性を育むためにも、
様々な大人との出会いは大切。
ゆるやかに見守ることが、
地域の子育ての力になる」と渡辺さんは話す。

子どもを預かるボランティアをするときの注意点

〈1〉自分の体力を見極める
 「とっさに走り出せる」「抱っこができる」
などの体力があるか。
〈2〉自分の家族の了解を得る
 自宅で預かる時間帯、
家族がいるときでも預かっていいかなどを確認しておく。
〈3〉自分の考えを押しつけない
 「こうすべきだ」と自分の考えを押しつけない。
親の気持ちを受け止め、大変さに共感するところから始める。
〈4〉保険加入
 個人的に子どもを預かるより、
傷害保険などの保険に加入している組織を
通した方が安心できる。
 (山口さんの話を基に作成)
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