富山「初午」…子供減少で来年の実施困難

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 五穀豊穣を願い、小学生が馬にふんして踊る
国選択無形民俗文化財「初午」が
14、15の両日、富山県南砺市の利賀地区で披露された。

 約200年にわたり引き継がれてきた行事で、
今回は5人が参加。
しかし、うち3人は今年度で小学校を卒業するため、
来年は人数をそろえるのが困難になっている。
伝統が途絶えるのを惜しむ声も多く、
今後、地元で実施の可否を話し合う。

 初午は、馬にふんする2人のほか、
祝詞を読み上げる神主や太鼓をたたく役、
豊作を願う「俵ころがし」担当のすべてを
小学生が務めるのが特徴。
旧利賀村上村地区で受け継がれてきた。
最低でも5人が必要だ。

 「お馬が乗り込んだ」。
15日夕、市立利賀小学校の職員室におはやしが響いた。
俵を転がした男児(12)が「福之神」と記された札を置くと、
教職員から温かい拍手が起きた。
子どもたちは14日は民家、
15日は事務所を中心に計33か所で初午を披露した。

 参加者は6年生3人と3、4年生が各1人。
ただ、同地区内で来年度、小学校に入学する子供はいない。
世話役の笠原一忠さん(52)は
「来年の開催は未定。今のままでは続けるのは難しいだろう」
と頭を抱える。
かつては小学3~6年の男子10人程度が参加していたが、
子供の減少に伴い徐々に条件を緩和。
女子や小学1、2年生を参加対象としたほか、
駐在所に子持ちの警察官の赴任を要望するなどして
維持に努めてきた。

 笠原さんは伝統を守る大切さを強調する一方、
「地域の子供が参加することに意義があり、
助っ人で維持すればいいというものではない」と話す。
今後、地元住民から幅広く意見を聞いた上で
方針を決めるという。
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