原因不明…子供の「成長痛」 自己判断するのは危険


SankeiBiz
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 子供が夕方から夜にかけて、膝など
下肢部分を泣くほど激しく痛がるが、
エックス線検査でも病気が見つからない-。

 そんな状況のときは「成長痛」と呼ばれる
原因不明の病気を疑ってもいいかもしれない。
ただ、専門家は「自己判断で成長痛と判断するのは危険」とし、
まずは整形外科への受診を勧めている。(清水麻子)

 3~5歳で出現

 「ふれあい町田ホスピタル」(東京都町田市)の
整形外科医、日下部浩さん(46)によると、
成長痛は男児が5歳、女児は4歳をピークに、
主に3~5歳で初めて症状が出ることが多い。
成長とともに症状は落ち着くが、
まれに15歳前後になっても症状が出ることもあるという。

 症状は、寝る前や夕方から夜にかけて、
両足の一部をかなり痛がるものの、
痛みは数十分~数時間程度。
翌朝にはすっかり治っているという特徴がある。

 日下部さんらが平成16年に調べたところ、
国立成育医療研究センター病院(世田谷区)の
初診患者のうち成長痛と診断されたのはわずか2%程度。
しかし、地域の整形外科を受診する子供が多いことを予想すると、
「さらに多くの割合の子供が
成長痛と診断されているはず」(日下部さん)という。

 欧米では「Growing pains」という名前がある。
確かに子供の下肢の骨は夜間に伸び、
その名称からも、成長のため骨が伸びていることで
起こる病と思われがちだ。
しかし、「骨の成長は非常にゆっくりのため、
成長に由来している痛みとはいえない」(日下部さん)。

 成長痛の原因は不明だ。
子供の骨は軟らかいため、運動量が多い日は
骨組織が腫れやすく痛がるという説もあり、
心因性を指摘するデータもある。

 同病院の8年の調査では、
成長痛を訴える子供の傾向は、
神経質で甘えん坊、長男・長女。
そして、母親は比較的神経質、過干渉で、
子供の行動にすぐ口をはさみ、
逆に父親はのんきな傾向がみられた。
だが、日下部さんは「この心因説も絶対とは言えない」と話す。

 優しく手でさする

 成長痛と確定診断されても、数年間、痛みが続くこともある。
しかし、自然に治り、後遺症もなく、心配しなくてもいい。

 ただ、痛みがかなり強いため、子供としてはつらい。保
護者ができる対症療法としては、
痛がったときに子供が安心することをしてあげると、
痛みが緩和される。

 日下部さんは「一番良いのは
痛がる部分を手で優しくさすってあげること。
温タオルなどで温めたり、冷やした方が
気持ちが良いと感じるなら冷やしてあげてもいい。
市販の消炎鎮痛薬を貼って落ち着くなら、
それでもいいと思います」と話している。

 別の病気が隠れていることも

 膝や太ももなど下肢の痛みには、
X脚やO脚のほか、大腿(だいたい)骨(太ももの骨)の
頭が壊死(えし)を起こして崩れるペルテス病、
膝のすぐ下に張り出している部分の
脛骨粗面(けいこつそめん)が腫れる
オスグート・シュラッテル病、細菌やウイルスなどによる
感染症、若年性関節リウマチ、
白血病や神経芽細胞腫といった悪性腫瘍など
70種以上の病気が隠れていることがある。

 日下部さんは「本当は成長痛ではないのに、
成長痛と片付けられてしまうのが一番危険なこと。
子供が下肢を痛がったらまずは近くの整形外科を受診し、
膝周辺だけではなく、股関節から足の先までを
エックス線検査し、総合的に判断してもらってほしい」
とアドバイスしている。
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