子育て:イクメン化一方、孤立も 0〜2歳児の親、ベネッセが調査

毎日jp
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 ◇育児する父、相談相手いない母増加
 「『孤育て』支援を」

 幼い子どもを持つ父親が、
子育てに積極的に参加する「イクメン」化しつつある一方、
母親はむしろ孤立を深めていることが、
ベネッセ次世代育成研究所の
「妊娠出産子育て基本調査」でわかった。
専門家は、地域がもっと積極的に子育て支援に
かかわることが必要だと呼びかけている。【田村佳子】

 今回の調査は11年末、
0〜2歳の第1子を持つ全国の夫婦に、郵送で実施。
3146人の有効回答を得た。
同研究所は、初めて子どもを持つ夫婦の子育て意識や
環境の変化を探るため、06年にこうした調査を始めており、
今回の調査は5年ぶり2度目となる。

 父親の育児の頻度(ひんど)を尋ねたところ、
おむつ替えを「ほとんど毎日する」と答えた人は32・6%。
「週に3〜5日」(25・6%)と合わせて58・2%にのぼった。
5年前の調査ではそれぞれ24・5%と50・9%なので、
7〜8ポイント増えた計算だ。

 子どもがぐずった時に落ち着かせる頻度は
「ほとんど毎日」が21・3%(前回比8ポイント増)。
「週3〜5日以上」も含めると47・3%と、
前回より15ポイントも増えた。
10年の流行語にもなった「イクメン」は、
実際に急増しているようだ。

 家事への参加も増加傾向にある。
炊事(食事の用意や片付けを含む)を週1回以上している父親は
58・5%(前回52・9%)。
掃除は44・6%(同36・3%)、
洗濯35・9%(同27・2%)と、いずれも前回より増えた。

 調査を監修(かんしゅう)した
菅原ますみ・お茶の水女子大教授は
「子育てに、より積極的に向き合おうという父親の姿勢が見える。
父親の頑張りは家族関係全体にも大きな意味があり、
妻からの評価の向上につながっている」と分析する。

 一方、地域での子どもを通じた付き合いは、
夫婦とも減っている。

 子ども同士を遊ばせながら立ち話をする程度の
付き合いがある人が、
地域に「1人もいない」と答えた母親は34・3%。
5年前の前回調査(25・6%)より9ポイント近く増え、
3人に1人の割合にのぼった。

 「子どものことを気にかけて声をかけてくれる人がいない」
と答えた人は21・9%(前回15・5%)、
「子育ての悩みを相談できる人がいない」人は
27・6%(前回22・7%)。
「孤(こ)育て」と呼ばれる現状を裏付けた。
同研究所によると、子どもの年齢が0歳代で、
母親の年齢が若いほど、
こうした付き合いの人数は少ない傾向にある。

 「今の母親たちは少子化社会で育ち、
子どもと触れ合う経験が少ない状態で
母親業を始めなければならない」と菅原教授。
「少子化のスピードが上がると、
さらにこうした孤立も進むと予想される。
早く支援策を強化し、地域も意識的に
子育て家庭にかかわる必要がある」と指摘する。

 調査では子育て環境や支援制度についても尋ねた。
「子どもの医療費助成」「小児科などの病院」については、
8割以上の母親が「充実している」と感じていた。
「妊婦検診助成」「分娩(ぶんべん)を受け入れる病院」
「子どもの任意予防接種費用の助成」についても、
ほぼ7割以上が肯定した。

 一方「子育て家庭への直接的な経済支援」については
半数以上が「充実していない」と回答。
子どもの健康・医療制度には満足しつつも、
親自身に対する支援は不足していると
感じていることをうかがわせた。
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